可搬式オービスを半固定式はどう流用している?
大阪府警が全国に先駆けて阪神高速に導入した半固定式オービスは、一見するとこれまで導入されてきた可搬式オービスをそのまま高速道路脇に設置しただけのようにも見えます。しかし、じつは半固定式オービスと可搬式オービスでは機能が異なる部分があり、その違いが大阪府警から入手した文書からわかったのです。
半固定式オービスは可搬式をローテ
大阪府警が阪神高速で2021年から運用をはじめた半固定式オービスは、オービスを設置する基台部分を複数ポイントに設置。その上に可搬式オービスのひとつ「LSM-310」を取り付けてスピード違反の取り締まりを行います。現在のところ、基台は3地点に設置され、1台のLSM-310がローテーションされています。
もともと可搬式のLSM-310は、スピード測定用のレーザースキャンセンサー、違反車を撮影するためのカメラやストロボ・記録装置、これら各機器を動かすための電源ユニットが一式となったもの。このうち、ストロボとその他機器を格納したユニットは分割可能です。
じつは、半固定式オービスで使用されるLSM-310は、可搬式オービスとは微妙に仕様が異なっています。半固定式オービスで使われるLSM-310には「LSM-310-hk」という別な型番があるのです。
半固定式オービスはNTT光回線を利用
LSM-310がバッテリー駆動であるのに対し、LSM-310-hkは電源を基台部分から供給する仕組みとなっており、AC90~110Vで動作します。ただし、ストロボの発光では一時的に大容量の直流電源が必要となるため、それを貯めるためのバッテリーも内蔵しています。
また、LSM-310には搭載されている撮影画像の記録装置がLSM-310-hkにはなく、撮影画像は通信回線を利用して中央装置へと直接伝送。利用する通信回線は「フレッツ光ネクスト等」と指定されており、中央装置との通信にはNTTの光回線を利用します。
さらに、LSM-310-hk用の基台を設置する際には、高速道路の外側に電柱を建て、そこから電力会社が供給する電源とNTTの通信回線を基台まで配線しているのです。
ラジオライフ編集部
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