警察が防犯カメラで犯人を足どりを追跡する方法
さまざまな事件の解決において、いまや防犯カメラの果たす役割は絶大です。防犯カメラ映像が警察の事件捜査にどのような影響を及ぼしているのか、元刑事に実情を聞きました。警察の画像解析技術はいまや粗い画像を鮮明にすることが可能。不鮮明なナンバーでもほぼ間違いなく判別できるのでした。
警察が防犯カメラ映像をクリアにする
近ごろの防犯カメラは、安価でも映像が鮮明な機種が増えています。とはいえ、長時間録画が必要とされるためどうしてもデータは圧縮され、低解像度・低画質になりがちです。このため、警察が力を注いでいるのは、カメラの性能よりも、不鮮明な映像をどうクリアにするかです。
警察は犯罪が発生すると、すぐに防犯カメラの映像を押さえます。捜査支援分析センター、いわゆるSSBCでDAIS(捜査支援用画像分析システム)を使えば、不鮮明でまったく見えないナンバープレートの数字なども簡単に判読できます。
捜査支援分析センターは、犯罪捜査で得られた情報を集約・分析し、迅速に犯人を割り出すために2009年に新設されました。また、DAISは隣接する画像情報による補完で、粗い画像を鮮明にできる画像分析システムです。
警察は防犯カメラ映像を包括的に追う
ナンバープレートの数字は0~9しかないため、少ない情報でも解析が容易で、ほぼ間違いがないほどの精度。警察・検察などの公的捜査機関では、捜査支援用画像処理システム「イメージレポーター」が使われることもあります。
そして、街中に設置されている防犯カメラは1台ではありません。容疑者は、空を飛んで移動するわけではなく、必ずどこかから来てどこかへ移動していくので、複数のカメラに映っています。
このため、警察はどのカメラに映っている可能性があるか、現場で確認。犯行現場が歌舞伎町なら新宿駅や新宿三丁目駅など、周辺の防犯カメラに映っていないかもすべてチェックします。不鮮明な映像も別のカメラでは鮮明に撮られている可能性もあるからです。
個々の防犯カメラ映像は最新の捜査支援用画像分析システムで映像を鮮明にしていく一方で、複数の防犯カメラを包括的に追いかけていくことも、警察の捜査では大事なわけです。
ラジオライフ編集部
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