レンタカーのカーナビにテレビ機能がない裏事情
カーナビのテレビ機能は、走行中は画面が映らないよう制限がかかりますが、ラジオ代わりにテレビ音声を楽しむことは可能。駐車場で時間つぶしにテレビを見て過ごすという人も多いでしょう。ところが、最近のレンタカーではテレビの見られないことが増えているのです。これは、レンタカーはNHK受信料が会社負担だからです。

レンタカーもNHK受信料が必要だった
放送法では、NHKのテレビ放送を見られる設備を設置した場合、NHKと受信契約を結ばなくてはならないと定められています。カーナビのテレビ機能も例外ではなく、自宅にテレビがなくても自家用車のカーナビがテレビチューナーを搭載する場合、NHK受信料を支払わなければなりません。
ただし、NHK受信料は「世帯」ごとに1契約となっており、自家用車のテレビチューナーについては自宅内に設置したものと同じ扱い。自宅でNHK受信料を支払っていれば、自家用車のカーナビのテレビ機能についてのNHK受信料は不要です。
しかし、レンタカーについては事情が異なり、自動車1台ごとにNHK受信料を支払う必要があります。レンタカーのカーナビにかかるNHK受信料については、国会でも「質問主意書」という形で取り上げられたことがあります。
レンタカーのNHK受信料は会社負担
2020年1月に出されたこのレンタカーのNHK受信料の質問主意書には全部で4項目あり、そのひとつにカーリース業者が保有するテレビ付きカーナビのうち、貸し出されていない状態のものは、NHK受信契約が不要な「放送の受信を目的としない受信設備」といえるかという質問がありました。
確かに、借り手がいない状態のリース車は、実質NHKのテレビ放送を見る人が存在しないため、NHK受信料を支払わなくてもよいとも考えられます。ところが、内閣が出した答弁書は、借り手がいないリース車のカーナビであっても、「放送の受信を目的としない受信設備」とはいえない、すなわちNHK受信料が必要という内容でした。
この答弁書をレンタカーにあてはめた場合、実際の利用状況とは無関係にNHK受信契約を結ぶ必要があり、NHK受信料はレンタカー会社が負担することになってしまいます。そのため、レンタカー会社では全車テレビが見られない仕様、または一部高級クラスのみ視聴可能なテレビ付きといった対応をしているのでした。

ラジオライフ編集部

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