コミュニティFMに旧ガードバンドから割り当て
FMラジオ放送帯の再編は、コミュニティFMにも及び始めています。周波数の不足から、首都圏では新規開局が困難といわれてきたコミュニティFM。しかし、アナログテレビ放送用のガードバンドだった85~90MHz帯が開放されたことで、使用可能な割り当て周波数が一気に拡大しました。

コミュニティFMに85~90MHz帯
2015年9月1日に開局したばかりのステーションネーム「FM Kawaguchi 856 studio」は、首都圏初の85~90MHz帯から割り当てられたコミュニティFM放送局。旧ガードバンドの周波数帯が初めて首都圏で割り当てられました。
川口駅前の商店街を中心にコミュニティFM放送局を立ち上げるという機運は、以前からあったのですが、具現化はしていませんでした。そこへきて2011年に東日本大震災が発生。当日は川口市も帰宅困難者など、情報の不足から混乱しました。
そして被災地では臨時災害放送局が続々と開局し、住民へのきめ細やかな情報提供を開始。このラジオが持つ“情報提供能力”に注目したのが、川口市で明治時代から代々事業を営んできたFM川口の田中社長。我が街、川口市にも防災の観点から情報を提供するコミュニティFM放送局が必要と考えて、3年前にFM川口の開局を決意しました。
コミュニティFMへの新規割り当て
自治体からの援助なしに自前での開局作業を進めていき、スタジオは田中社長が経営する会社の1階に設置しています。首都圏は周波数不足で困難といわれながらも、ガードバンド開放によるコミュニティFMへの新規割り当てが期待できる状態でもありました。
このような状況下で開局を申請。結果、2015年6月1日に予備免許が付与され、周波数85.6MHzが割り当てられたのです。待望の周波数を得てから工事は急ピッチで行われ、3か月後の2015年9月1日に開局となりました。
FM川口の送信所はスタジオのある本社の屋上にあります。送信アンテナは東西南北の4方向に八木アンテナを設置した特異なものです。
これは送信所が川口市の主要部である南部にあるため。八木アンテナの指向性を活用して、サービスエリアが広範囲になる北方向に最大の出力をかけて送信します。市境が近い東西と南方面に向いたアンテナからはサービスエリアに応じた弱めの出力で送信しています。各アンテナの出力を調整することで、川口市内をカバーしているのです。
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ラジオライフ編集部

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