4Kテレビを買うとNHK受信料は値上げされるのか?
2018年に本放送を開始した4Kテレビ放送は、NHKをはじめとするテレビ局以上に、テレビ製造メーカー側が熱心に推進しています。そのため、現在販売中のテレビは4K対応モデル中心で、4Kテレビチューナーも内蔵しています。それでは、テレビを4K対応モデルに買い換えると、NHK受信料も4K料金へと値上げされるのでしょうか。

NHK受信契約で白黒テレビは普通契約
NHKが現在のように受信契約に基づく受信料を徴収し始めたのは、戦前から続く社団法人から放送法に基づく特殊会社へ組織変更した1950年6月からのことです。当時は、まだテレビは放送されておらず、NHK受信契約の対象となるのはラジオ所有者となっていました。
それからまもなく、1953年2月にNHKのテレビ放送がスタート。あわせて、NHK受信契約にもテレビ受信料が追加されました。しかも、当時はラジオ・テレビ両方を持つ人はラジオ受信料・テレビ受信料がそれぞれ必要で、1953年当時の受信料はそれぞれラジオが月50円、テレビが200円でした。
NHK受信契約が次に大きく変わるのは、テレビ契約にラジオ契約が含まれるようになった1962年で、さらに1969年からは「カラー契約」が追加。契約名に「テレビ」は入っていないのは、同時にラジオが受信契約対象外となったためで、白黒テレビは「普通契約」という名称になりました。
NHK受信契約は衛星契約のまま4K視聴
1988年にNHKがBS放送を開始すると、これにあわせ「衛星カラー契約」「衛星普通契約」が追加されます。1988年時点でも、販売されていたテレビはほぼカラーテレビでしたが、NHKでは白黒テレビ向けの衛星契約を用意した形です。カラー・白黒の区別が廃止され「地上契約」「衛星契約」となるのは2007年のことでした。
NHK受信契約の歴史を見ていくと、テレビ放送開始、BS放送開始といった新放送方式が導入されたタイミングで行われることが多く、新放送方式のNHK受信料は旧方式より割高に設定されています。ところが、現在の新放送方式といえる4K・8K放送には独立した受信契約が設定されておらず、衛星契約のままで視聴可能なのです。
NHKが4K・8K放送に独自の受信契約を設定していない理由は、いまのところ4K・8Kともフル放送とはいえない状況のためと考えられます。現在、NHKの4K放送は6~24時の16時間、8Kは10~22時の12時間しか放映していないうえ、多くの番組が再放送です。この状態で、衛星契約以上の割増受信料を設定することは厳しいでしょう。
こうした状況は、地上波でカラー放送が開始した当時にも起きており、カラー放送自体は1960年から行われたものの、当初ほとんどの番組は白黒放送のまま。そのため、カラーテレビ向けの契約「カラー契約」が設定されるのは、カラー番組が充実する1969年まで待たなくてはならなかったのです。

ラジオライフ編集部

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