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B-CASをやめ「ACAS方式」にすると決まった事件

現在発売中のテレビは、大画面モデルを中心に4K・8K放送用のチューナーを搭載するモデルが増えています。こうした4K・8K放送を視聴できるテレビには、これまでのB-CASではなく、新方式のACASに対応することが求められています。4K・8K放送向けにB-CASではなくACASが必要なのは、過去に起きた事件が関係しているのです。


B-CASをやめ「ACAS方式」にすると決まった事件

B-CASカードの内容を書き換えて視聴

「B-CAS」は、2000年12月に本放送がスタートしたBSデジタル放送で、視聴制限に利用するために導入されました。B-CASという名称は、B-CASの運用を行う会社であるビーエス・コンディショナルアクセスシステムズの略称でもあり、当初はBSの有料放送での利用が想定されていました。

その後、地上デジタル放送でもコピー制限のためにB-CASを利用することが決定。2004年4月5日以降は、BSデジタルの無料放送や地上デジタル(地デジ)放送もB-CASカードが装着されていないテレビなどでは番組自体の視聴が不可能になっています。

ところが、B-CASの導入から12年後となる2012年初頭から、B-CASカードの内容を書き換え、有料放送を無料かつ事実上無期限で視聴可能となるカードが出回るようになりました。この時点では、BSデジタル放送だけでなく110度CSから放送する有料放送のスカパー!もB-CASを利用するようになっていたため、影響は深刻でした。

不正B-CASカードの販売で逮捕者

しかし、実は前年の2011年12月1日に不正競争防止法が改正され、B-CASカードの不正書き換えのような「技術的制限手段の効果を妨げる」装置などを販売すると刑事罰の対象になっていました。そのため、不正B-CASカードを販売していた1人が2012年6月に不正競争防止法違反で逮捕される事態に発展したのです。

とはいえ、B-CASの仕組みに欠点があることが明らかになったことから、後に放送が開始される4K・8K放送では新しい視聴制限方法を導入する方針が決定。2015年に新CAS協議会が発足し、ACAS方式の開発が本格的にスタートしました。

ACAS方式の開発にあたっては、B-CASのようにスロットにカードを差し込み利用する方式は不正改造が容易になると考え、テレビなどに回路チップを固定する方式を採用。また、暗号化もB-CASが利用するMULTI2よりセキュリティが高いAES・Cameliaの2種類を用いることになったのです。

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ラジオライフ編集部

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