高速道路を周回走行で戻るとバレる?ETCゲートは?料金は?
ETCが普及したことにより、全国各地で通行券をチェックするためだけに設けられた本線料金所が廃止となりました。本線料金所がないことで、高速道路を周回走行しても料金所を通らずに出発ICまで戻れる場所も数多くあります。しかし、高速道路を周回走行がバレることで、出口の料金所のETCゲートでバーが開かず立ち往生することがあるため要注意です。
高速道路の周回走行で料金所を通らない不正
かつて、高速道路には料金徴収を行わず通行券チェックだけを行う、通称「バリア」と呼ばれる本線料金所がありました。バリアが最初に設置されたのは北陸道の米原JCT近くで、1980年のこと。バリアを設置した目的は、高速道路での周回走行などの不正をチェックするというものでした。
その当時、高速道路で横行していた周回走行の不正は、上り線と下り線を走行する自動車が途中のSAで通行券を交換するという手口でした。例えば、東京IC→豊田IC・名古屋IC→横浜IC(現横浜町田IC)を走行する自動車同士が、浜名湖SAで通行券を交換することで、高速道路を周回走行してそれぞれ東京IC~横浜IC・豊田IC~名古屋ICの通行料金で済ませようというものです。
しかし、料金所で通行券の磁気情報にナンバープレート情報を書き込むことにより、通行券チェックを行わずに高速道路の周回走行の不正をキャッチできるようになり、バリアの必要性は年々薄くなっていました。各地に設置された高速道路の周回走行の不正をチェックするバリアは、ETCの普及を待たず2000年代から相次いで撤去されていったのです。
バリアがなくなったことに加え、高速道路ネットワークが拡大して複数ルートが選べる路線も増加。出発ICから料金所を通らず、高速道路を周回走行して元のICへ戻れる場所も増えています。
高速道路の周回走行のETC料金計算方法
高速道路を周回走行して元のICへ戻れる場所の例でいうと、静岡ICから名古屋方面へ向かい、三ヶ日JCT~浜松いなさJCT~新清水JCT~清水JCTと通過し静岡ICまで戻るといった具合です。
高速道路を周回走行して元のICへ戻り、出口料金所のETCレーンを通過しようとすると、ETCゲートが開かないことがあります。高速道路を周回走行してETCゲートが開かないときには、料金所のインターホンで係員を呼び精算処理を行うことになります。なお、高速道路のICによっては料金表示部分に「周回走行」と現れゲートが開き、ノンストップ走行が可能です。
高速道路の周回走行では、実際に走行した距離分の通行料金を支払うことになります。先ほどの静岡ICから高速道路を周回走行するパターンでは、走行距離は214kmとなり、通行料金は普通車5960円です。ちなみに、高速道路を周回走行で1周したうえでさらに走行した場合の通行料金も、同様に実際の走行距離分で計算されます。
高速道路の周回走行はETC車はバレる仕組み
NEXCO3社の高速道路には、入口IC~出口ICで複数ルートを選択できる場合、最短ルートの2倍以内であれば迂回ルートを走行した際も最短ルートで通行料金を計算するというルールがあります。逆にいえば、最短ルートの2倍を超えてしまった場合は、実際の走行ルートに従い通行料金を支払うことになる仕組みです。
その典型例ともいえるのが、入口ICから出口ICの間に一周するルートを含むパターンで、NEXCO中日本のWebサイトでは横浜町田ICから清水JCT~新清水JCTを経由して厚木ICまで戻るルートを例として掲載。そのまま厚木ICで降りた際の通行料金650円に対し、清水JCT~新清水JCTを経由するケースでは6230円になるとのことです。
いくら高速道路を周回走行しようがバレることはないだろうと思う人もいるかもしれませんし、現金で支払う場合は高速道路の周回走行をチェックできないことも事実。しかし、ETC利用については高速道路本線上に「フリーフローアンテナ」が設置されていて周回走行がバレる仕組み。ETC車の高速道路の周回走行などの走行ルートはチェックされているのです。
ただし、高速道路の周回走行で入口を通過したあとにETCカードを抜くことで、フリーフローアンテナのチェックから逃れるという手口も考えられます。確かに、高速道路の周回走行でなくとも、SAなどで休憩中に盗難に遭わないようにETCカードを抜くことは問題ないはずです。
高速道路の周回走行でETCゲートが開くか検証
高速道路を周回走行した場合について、NEXCO中日本のWebサイトには「出口料金所では開閉バーが開かないことがあります」といった記載があります。この記載は高速道路の周回走行で「常にETCバーが開かない」と書かれていないため、逆に料金所のバーが正常に開くこともありえるとも読み取れます。
この点を検証し、Youtubeで公開しているのがHAKASE DRIVEチャンネルです。チャンネルを運営するハカセさんは、さまざまな場所へドライブした様子をYoutubeで公開していますが、そのなかでも高速道路の周回走行のETC検証動画は再生回数が多くなっています。
「【検証】高速道路を周回走行したらどうなるのか?」というタイトルの動画では、秦野中井IC~大井松田ICを海老名JCT~海老名南JCT・清水JCT~新清水JCTを含む2種類の高速道路の周回走行で出口料金所でETCバーが開くかをチェック。高速道路の周回走行の結果は、どちらもETCバーは正常に開くというものでした。
ちなみに、動画本編では触れられていませんが、コメント欄への記載によると、高速道路の周回走行の通行料金自体は実際の走行ルートにもとづき後日きっちり請求が届いたとのこと。なお、高速道路の周回走行でETCゲートが確実に開くとは限らないので、周回走行を行った際にはあらかじめ一般レーンを利用することでトラブルを避けた方がよいことは確かです。
ラジオライフ編集部
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