特定小電力無線で聞こえる呪文のような交信とは
レジャー無線で簡易無線は「了解」「どうぞ」とお互いに言い合って、交互にしゃべる単信式です。通話には1つの周波数を使います。特定小電力無線も基本は単信式ですが、2つの周波数を使った2周波単信式という通話方法があります。これは特定小電力無線の短い通話距離を合法的に2倍にするためのシステムです。

特定小電力無線の2周波単信式の恩恵
特定小電力無線の2周波単信式は、ホームセンターなどの広過ぎる店舗、複数のフロアや上下階に分かれている店舗で活用されるもの。店内の真ん中あたりの高所に、特定小電力無線専用の中継器(レピータ)を設置します。
そして、離れた場所にいる特定小電力無線機から飛んできた上りの電波(アップリンク)を中継器が受信。中継器は上りの電波に乗っている音声を、下りの電波(ダウンリンク)を使って再送信するのです。
通話相手は中継器からの下り電波をキャッチすることで、遠く離れた相手と通話できるというわけ。2つの周波数を使っていますが、通話の際は「了解」「どうぞ」といってから交互にしゃべります。
特定小電力無線の2周波単信式の恩恵は受信する側も受けられます。中継器から出る下りの電波を受信すれば、広い店内のどこにいても交信が聞けるからです。
特定小電力無線をクレーン作業に使用
特定小電力無線で2つの周波数を使う通話方法のもう1つが複信式です。クレーン作業用のためレジャー無線ではありませんが、特定小電力無線ならではのシステムなのでその仕組みを確認しておきましょう。
複信式は、2つの周波数を使い、双方が常時電波を出して同時通話をします。クレーン作業は危険を伴うため、どちらからも即座に話せるようにしておく必要があるためです。
複信式の出力は、通常の10mWを10分の1にした1mWになっています。出力をおさえた分、電波を時間制限なく発射し続けることが認められているのです。
「親ゴーヘイー、ゴーヘイー、子チョイスラー」といった、下からクレーンの動きを指示する、まるで呪文のような交信が聞こえてきます。

ラジオライフ編集部

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