逮捕者まで出た「ディープフェイク」の最新事情
「ディープフェイク」とは、簡単にいえば「アイコラ」の延長のようなもの。写真が動画になり、より高精度になったものといえます。アイコラが職人による手作業なのに対して、ディープフェイクはAIによって作られるのも異なる点です。逮捕者が出るなど、その危険性が指摘されているディープフェイクの実態に迫ります。
ディープフェイクは発展途上の技術
「ディープフェイク」では、ディープラーニング(深層学習)で、目・鼻・口といった顔の特徴、表情や動きを捕らえてAIがそれらを学習していきます。学習した内容を元に、違和感のないより自然な動画を生成するのです。
学習する顔の素材が多ければ多いほど精度は高くなります。まだまだ発展途上の技術のため、素人が作るようなディープフェイクは不自然な部分もありますが、技術の進歩によっていずれ本物と見分けがつかない動画を簡単に作れるようになるはずです。
ちなみに、AIを使って音声を生成する「ディープフェイクボイス」という技術もあります。こちらはディープフェイクの音声版で本人にそっくりな声質の音声をAIが生成します。こうした音声と動画を組み合わせることで、より本物に近いディープフェイクが作れるわけです。
ディープフェイク専用ツール多数公開
2020年10月、女性芸能人のフェイクポルノを作成・公開したとして男が逮捕されるという事件が発生。AIの顔認証技術を使い、AV女優の顔を女性タレントにすり替えた動画を作成したとして、大学生の男が逮捕されました。
つまり、特別な技術がなくても、機材さえ揃えば誰でもディープフェイクが作れるようになっているのです。専用ツールも多数公開されており、オープンソースのものからブラウザ上で作れるもの、さらにはスマホアプリまで存在しています。
方式も本格的なAIのディープラーニングを使ったものから、画像を比較して近いものを合成するという単純なものまでさまざまです。動画の制作環境が整い、その精度も向上したのは喜ばしいことですが、それを悪用する輩が増えないことを祈るばかりです…。(文/pusai)
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ラジオライフ編集部
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