キャッシュカードの磁気データは半世紀前の技術
銀行のキャッシュカードとは磁気カードといわれ、表面に設けられた磁気層を使ってデータをやりとりします。記録できるデータの容量は半角文字72文字とかなり少なく、暗号化もされていません。キャッシュカードの磁気データは専用の読取装置があればそのまま読み出すことができるのです。
キャッシュカードの磁気データは弱点
なぜこんなに簡単な構造なのかというと、キャッシュカードやクレジットカードが作られたのが、今から50年も前だからです。セキュリティ面からすれば言葉通り半世紀前のレベルといわれています。
近年は、スキミング対策を一因として、銀行キャッシュカードにはICチップが搭載。ICチップには8,000~32,000文字の膨大なデータが記録されているため解読は困難。また、データにもスクランブルがかけられています。
ところがそれでも、キャッシュカードはスキミングに対して万全ではありません。なぜならICチップ搭載カードにも磁気層が残っており、従来の磁気データも書き込まれているからです。キャッシュカードはICチップで武装されているものの、磁気データという弱点もそのまま残されているかたちになります。
キャッシュカードの磁気フォーマット
ちなみに、磁気キャッシュカードのフォーマットについて、もう一つ覚えておきたいことがあります。それは、磁気カード内部に記録されている情報の一部が、カード表面にも書かれているということです。
キャッシュカードの表面には「銀行名」「支店番号」「口座番号」「氏名」がエンボス文字で刻印されていますが、これらの情報はフォーマットに則って、磁気層に記録されています。
逆にいえば、キャッシュカード表面の情報を読み取れれば、カード内部の磁気データの一部も複製できてしまうということ。これが、スキミング犯がキャッシュカードの表面を隠しカメラで撮影する理由の1つになっています。
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