赤外線カメラの透過写真で服が透ける?簡単な作り方とは?
普通のデジカメに赤外線フィルターを装着するだけで自作した赤外線カメラで透過写真撮影ができるかトライしてみました。ちなみに自作する赤外線カメラのセンサーは、C-MOS方式よりも従来からあるCCD方式の方が赤外線によく反応します。今回はCCD方式のデジカメに赤外線(IR)フィルターを装着した自作の赤外線カメラの透過写真撮影に挑戦しました。
赤外線カメラ透過写真撮影のフィルター
赤外線カメラで透過写真撮影をするためには、真っ黒い赤外線フィルターをレンズに装着しています。赤外線フィルターが可視光線をカットして、赤外線だけを透過。カメラのセンサーに反応させて赤外線透過写真を撮影します。
なお、赤外線フィルターにはレンズ装着型と「IR76」でおなじみのフィルム型があります。また、内部のセンサーには赤外線を除去するIR(赤外線)カットフィルターがあり、通常の撮影ではセンサーに届いた不必要な赤外線の光量を減少させています。
これでは自作した赤外線カメラで透過写真は撮影できませんが、カメラによってはIRカット機能が弱く赤外線感度が高い機種があり、赤外線フィルターによる透過写真撮影が可能です。自作した赤外線カメラの透過写真撮影は機種によって大きな差があるのです。
赤外線カメラ透過写真の人物撮影を実験
また、赤外線フィルターの透過写真撮影に使うカメラのセンサーはC-MOS方式のデジタルカメラよりも、従来からあるCCD方式の方が、赤外線によく反応します。少し古めデジタルカメラや安価な機種の方が赤外線フィルターで自作する赤外線カメラの透過写真撮影には適しているのです。
ニコン「D40」はセンサーがCCD仕様のため、透過写真撮影のための赤外線領域での感度がよいのが特徴のカメラ。D40を自作の赤外線カメラとするために真っ黒なIRフィルター、ケンコーの「PRO1Digital R72」を装着して透過写真を撮影してみました。
IRフィルターによる赤外線カメラ透過写真撮影のモデルは身体にフィットしたピンクのTシャツを着用。屋外で太陽光の元、IRフィルターを装着して赤外線カメラ透過写真撮影すると、胸元に下着のラインが表れたのです。
赤外線カメラで透過写真撮影できる理由
IRフィルターを使った赤外線カメラ透過写真撮影は赤外線の特性を利用した撮影方法です。なぜIRフィルターで赤外線カメラの透過写真撮影ができるのか詳しく見ていきましょう。
可視光線とは人間の目に見える太陽光線。人間の目に見える可視光線は「紫・青・水色・緑・黄・赤」までの範囲。紫より波長が短くなると紫外線で、赤より波長が長くなると赤外線となります。そして、太陽光線には人間の目には見えない紫外線や赤外線が含まれています。目には見えないものの、カメラでは捉えられるのが赤外線です。
可視光線よりも波長が長い赤外線は直進性が高く、衣服を貫通して肌の表面で反射します。赤外線フィルターはこの反射した赤外線だけを透過するので、カメラで透過写真が撮影できるわけです。
赤外線カメラ透過写真撮影とIRフィルター
赤外線カメラ撮影で透過にも暗視にも使われるのが近赤外線です。赤外線カメラ透過写真撮影に使われる近赤外線の波長は700nm~3000nmになります。
波長が700~100000nmの赤外線には、このほか3000~15000nmの中赤外線、15000~1000000nmの遠赤外線が存在。その中でも、可視光線にもっとも近い近赤外線が、赤外線カメラ透過写真撮影に使われるわけです。
このため、赤外線カメラ透過写真撮影をするためには真っ黒いIRフィルターをレンズに装着して行います。これによって可視光線をカットして赤外線だけを透過。カメラのセンサーに反応させて赤外線だけの透過写真にするわけです。
ちなみに、赤外線カメラ透過写真撮影に使われるフィルターの「IR」とは赤外線の英語「InfraRed」の略。赤外線カメラ透過写真撮影に関わるIRの「I」の「Infra」は「下」を意味する接頭辞、すなわち「赤より下=赤より外=赤外線」という意味です。可視光線でない赤外線(IR)のみを透過するのがIRフィルターなのです。
赤外線カメラ透過写真撮影機材の作り方
IRフィルターによる赤外線カメラ透過写真撮影で忘れてならないのは、カメラ内部のセンサーには赤外線を除去する赤外線カットフィルターがあること。通常の撮影では不要な赤外線の光量を減少させるようにセットされていて、赤外線カメラ透過写真が撮影できないのです。
そこで、IRフィルターを使った透過写真撮影する赤外線カメラは、赤外線カット機能が弱く、赤外線感度が高い機種を使用するのが作り方の基本。また、センサーはC-MOS方式のカメラよりも、従来からあるCCD方式の方が赤外線によく反応します。このため、少し古めの機種や安価な機種の方が赤外線カメラ透過写真撮影する機材の作り方には適しているのです。
なお、被写体の承諾なしに赤外線カメラ透過写真撮影をしたり、公共の場で暗視撮影をすると法律や条例に抵触する恐れがあります。赤外線フィルターによる赤外線カメラ透過写真の人物撮影は同意の上で行って下さい。
赤外線カメラ透過写真に加えて暗視撮影
IRフィルターによる赤外線カメラ透過写真撮影できる機材は、暗視撮影にも利用可能です。夜間、赤外線フィルターを付けた投光器で被写体に赤外線を当てて周囲を明るくします。明るくするといっても赤外線は人の目にほとんど見えないので、被写体にはまず気づかれません。
このため、IRフィルターによる透過写真撮影ができる赤外線カメラなら、暗がりにいる動物など何をしているのか、バッチリ写せるわけというわけ。赤外線フィルターをストロボに装着して赤外線のみを発光させる方法もあります。
赤外線カメラ透過写真は色のないモノクロ。ただし、可視光線の下でモノクロ撮影した画像とは光の反射が異なるため赤外線撮カメラ透過写真は独自の仕上がりです。また、赤外線カメラ透過写真撮影は絵画に隠れた文字や下絵を透過して見るためにも利用されています。
赤外線カメラ透過写真撮影iPhoneを自作
最近、ネットオークションやフリマサイトで、透過写真撮影ができる赤外線カメラ仕様に改造されたスマホが販売されています。そこで、2014年発売のiPhone6を透過写真撮影できる赤外線カメラ改造してみました。iPhoneを赤外線カメラに自作するために用意する赤外線フィルターは、富士フイルムのIR72~76あたり。可視光線を吸収し赤外線だけを透過します。
透過写真撮影できる赤外線カメラ改造するために、さっそくiPhoneのディスプレイを外して背面のメインカメラユニットを分解…。センサーまではバラせるものの、光学式手ブレ補正機能が破損し、元に戻すことはできませんでした。小さい上に複雑化したiPhoneで透過写真撮影する赤外線カメラ改造は現実的ではないといえるでしょう。
と、ここで諦めてしまうと、ただの失敗報告なので、自撮り用のインカメラで透過写真撮影できる赤外線カメラ改造に再チャレンジです。テレビリモコンをインカメラで見てみると、赤外線LEDの投射を透視できました。
赤外線カメラ透過写真撮影できるiPhone
つまり、iPhoneのインカメラには赤外線吸収フィルターが内蔵されていないということです。さらにメインカメラと違って、手ブレ補正などの機能は無いので、構造がシンプル。こちらなら透過写真撮影できる赤外線カメラ改造ができそうです。
透過写真撮影できる赤外線カメラ改造で、iPhoneのパネル上部のプラスネジを除去し、スピーカーユニットを外すと、カメラ部分にアクセスできます。カメラユニットを取り外したら、フロントパネルとの間に、丸くカットした赤外線フィルターをセットします。
あとは元に戻せばiPhoneで透過写真撮影する赤外線カメラ改造は完成です。インカメラなので、セルフタイマーを使って赤外線カメラ透過写真撮影することになります。iPhoneの簡単な透過写真撮影できる赤外線カメラ改造ですが、試す場合は当然ながら自己責任でお願いします。
赤外線カメラ透過写真撮影とサーマルカメラ
ちなみに、赤外線カメラ透過写真とよく誤解されるのが、物体から放射される赤外線を分析して画像化する装置がサーモグラフィー(サーマルカメラ)です。赤外線カメラ透過写真では近赤外線が使われますが、サーマルカメラでは遠赤外線が使われます。
赤外線カメラ透過写真は白黒画像となりますが、サーマルカメラは遠赤外線を分析したうえで高温部分を赤く、低温部分を青く表示。近赤外線の反射を利用した赤外線カメラによる透過写真と違ってカラー画像となります。
一方で、赤外線カメラ透過写真とは異なり、暗視という分野ではサーマルカメラを利用した熱線暗視装置は存在。赤外線カメラによる暗視は近赤外線の反射を捉えますが、サーマルカメラによる暗視は人体や動物から放射される遠赤外線を捉えます。
赤外線透過写真の服が透けるカメラの作り方
赤外線は可視光線よりも波長が長く布を透過しやい特徴があります。この原理のため、赤外線を認識できるカメラでスケスケ画像が撮れるといった話が拡大解釈され、欲望が暴走してしまう人がいるようです。
生外線が透過するのは事実ですが、カメラの性能(感度)や撮影環境に大きく左右されるため、彼らが望むようなレベルの“成果”を得るのは実際にはほぼ不可能であり、むしろリスクを考えれば割に合わない行為といえます。
そこで、一般的に入手できる赤外線カメラ(改造版)を使って、どの程度透けるのか検証してみました。今回は、某オークションサイトで入手した改造済みデジカメで検証。レンズにはIRフィルターが貼られていました。これがもっとも簡単な赤外線透過写真の服が透けるカメラの作り方といえるでしょう。
赤外線カメラ透過写真で文字が読めるか実験
服の下に雑誌を入れて赤外線カメラ透過写真で文字が読めるか検証しました。まずは赤外線を吸収しそうな赤色で撮影。しかし、日の当たる場所では文字が識別できる程度に透けました。密着する服は赤色に気を付けたいところです。
光を吸収しそうなグレーも文字が読める程度には透けています。暗い色であっても赤外線カメラ透過写真の透け方とは無関係のようです。最も透けそうな白が意外にも健闘。密着した状態でも文字の識別は難しいレベルです。
生地の薄いラッシュガードは赤外線カメラ透過写真による撮影で透けるリスク大。ただ、水着の上に羽織れば透過を防止してくれるので、むしろ着用すべきでしょう。
赤外線カメラ透過写真撮影フィルター通販
赤外線カメラで透過写真撮影をするためには、真っ黒い赤外線フィルターをレンズに装着しなければなりません。ここでカメラレンズ用の赤外線フィルター通販の売れ筋ランキングを確認しておきましょう。なお、赤外線フィルターにはレンズ装着型と「IR76」でおなじみのフィルム型があります。
Amazonで赤外線フィルターの売れ筋1位は、Urthの「52mm 赤外線透過(R72)レンズフィルター(プラス+)」。レンズ装着型で、可視光の波長をカットして赤外線のみを透過します。価格は8.000円です。
「52mm 赤外線透過(R72)レンズフィルター(プラス+)」
赤外線カメラの透過写真撮影に必須の赤外線フィルター売れ筋2位は、富士フイルムの「赤外線フィルターIR78」。「IR78」は780nmまでの波長をカットします。四角いフィルムタイプで、価格は1,809円です。
富士フイルム「赤外線フィルターIR78」
赤外線フィルター売れ筋3位は、Snsowedの「72mm調整可能赤外線フィルター」。レンズ装着型で、カットする赤外線の波長を530nmから750nmまで変更できます。価格は2,683円です。
Snsowed「72mm調整可能赤外線フィルター」
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ラジオライフ編集部
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