白バイ車種で現役4モデルの排気量はどう見分ける?
白バイの多くは交通機動隊の所属。白バイは日々の訓練で磨いた高度なテクニックで違反車を追いかける、交通取り締まりの主役といえる存在です。そんな白バイの現役モデルは主に4車種あります。それぞれの白バイ車種の外観的な特徴と排気量などの走行性能について見ていきましょう。
白バイ車種の主力モデルはホンダのCB1300P
現在、白バイ車種の主力モデルはホンダの「CB1300P」。外観的には白バイとしてはやや迫力に欠ける、ハンドルとヘッド部分のみが覆われたハーフカウルが特徴です。成熟したVFR800Pの後継白バイ車種として2009年に導入開始されました。
白バイ車種の主力モデルであるCB1300Pは、同社が2005年から発売するCB1300 Super Bold’or(CB1300SB)を白バイ向けに改造したもの。CB1300PとCB1300SBで見た目上で大きく異なるのが、後部座席がない代わりに白いボックスが搭載されている点と、サイドバンパーが取り付けられている点でしょう。
CB1300Pは緊急走行に欠かせない赤色回転灯を前後に装備するほか、サイレンアンプも搭載。後部の赤色回転灯はマスト上に取り付けられ、前部赤色灯回転灯はフロントライト横に2個、スピーカー一体型のものが各サイドに1個ずつ取り付けられます。
白バイ車種の最新モデルは2014年採用のヤマハ
この白バイ車種はベース車がツアラーのため、旋回性能よりも直進安定性に重点を置いた設計です。前代の白バイ車種VFR800Pよりもホイールベースが長く、排気量も車重もアップ。白バイの車体の取り回しはマイルドな車種になっています。
一方、白バイ車種の最新モデルは、2014年に採用されたヤマハの「FJR1300P」です。1993年のFZ750Pから数えて、22年ぶりのヤマハ製の白バイ車種になります。同社製のFJR1300Aがベース車両で、ハーフカウルのCB1300Pとは違いフルカウル仕様です。
このため、アンダーカウルのあるなしで白バイ車種はホンダCB1300PとヤマハFJR1300Pを簡単に見分けることができます。白バイ車種の最新モデルFJR1300Pは30台が警視庁と福岡県警に配備されているほか、いくつかの県警で導入されました。
白バイ最新車種はフロント両サイドの警光灯が回転灯がこれまでの白バイの定番だったものもが、FJR1300PはLEDの点滅灯を採用。ただし、両サイドに赤色回転灯を装備したFJR1300Pの新型モデルも登場しています。
白バイ車種で最古参モデルはホンダVFR800P
さまざまなボックスが取り付けられた白バイ最新モデルFJR1300Pのリア部分は、まるで宇宙船のような風格です。とはいえ、市販車で289kgの車重は白バイ装備でさらに増加。この条件で白バイ隊員からの支持が厚いバイク車種、ホンダの牙城をなかなか崩せていません。
現役最古参となる白バイ車種がホンダの「VFR800P」です。白バイの車種として2001年から2008年まで調達されましたVFR800Pはフルカウルに猫目のヘッドライトが印象的です。軽量でコンパクトな白バイ車種は取り回しにも優れ、白バイならではともいえる交差点でのUターンからの追尾による取り締まりを得意としています。
さらにスズキの「GSF1200P」は2004年採用のレアな白バイ車種。ハーフカウルに組み込まれた赤色灯が、まるで戦隊モノのバイクのような印象です。全国配備された初の1,000ccオーバーの白バイながらVFR800Pのライバルにはなれずに、白バイ隊員からの支持も少ないモデルなのでした。
白バイ車種の最新と主力モデルの価格差
さて、白バイ車種の最新モデルと主力モデルでは、価格はどの程度の差があるのでしょう。警察庁購入分で比較すると、2020年に購入したCB1300Pの217台分の価格は3億2222万円で、1台あたり148万円です。一方、FJR1300Pが購入されたのは2014年の1回のみで、30台分の価格が約488万円。1台当たりにすると約163万円です。
白バイは主力車種CB1300Pより最新車種FJR1300Pの方が約15万円高いということになりますが、ベース車両の価格はむしろCB1300Pの方が高額。FJR1300P導入当時のFJR1300Aが142万円なのに対して、現在のCB1300SBは152万円。つまり、白バイ車種としての仕様が追加されたCB1300Pは市販モデルより割安なのです。
なお、白バイ車種にはホンダ・ヤマハのほかに、駅伝の先導が話題になったBMWの電動バイク「C evolution」をベースにしたモデルも存在。しかし、こちらの車種は交通取り締まりへ使用される予定は当面ないため、厳密には白バイ車種といえないかもしれません。
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ラジオライフ編集部
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