可搬式オービスは光った色でどのモデルかわかる
スピード違反を取り締まるオービスは、違反をキャッチすると赤色のストロボが光るといわれてきました。しかし、2010年代後半から登場した可搬式オービスでは事情が異なり、ストロボが赤色ではなく白色に光るオービスも増えているのです。それでは、ストロボが白色に光る可搬式オービスとはどのようなモデルなのでしょうか。

オービスの光った色が赤色だった理由
従来、オービスが撮影に使うストロボの発光色は赤色が基本とされてきました。これは、フィルム式カメラを使っていた初期のオービスが赤外線フィルムと赤外線カメラを利用していたためです。なお、可視光線を完全にカットせず赤色に光ったのは、ドライバー側に取り締まられた事実を知らせるためといわれています。
オービスの撮影にデジタルカメラが使われるようになり、撮影画像が中央装置に即時伝送される時代にもこの「伝統」は引き継がれ、オービスのストロボは赤色光でした。ところが、可搬式オービスが登場すると、白色光で光るモデルが各地で発見されるようになりました。
2014年に可搬式オービスの実証実験が行われる以前、国内で固定式オービスを製造するメーカーが相次いで撤退し、東京航空計器1社のみが製造を続ける状況でした。ところが、新型オービスの導入構想が警察庁から発表され、センシス製とガッツォ製が検討されることが明らかになったのです。
オービスで光った色が白色のモデル
2014年に埼玉県警で行われた実証実験では、固定式としてセンシス製の「SWSS」、可搬式にはガッツォ製の「MSSS」が導入されました。センシスとガッツォは2015年に合併し、センシス・ガッツォとなりますが、SWSS・MSSSともに白色光で光る仕組みだったのです。
センシス・ガッツォ製のオービスが白色ストロボを採用する理由は、カラー撮影を行うことにあります。カラー撮影は人相や服などが写真から判断しやすくなる一方、より多くの光量が必要になる点がデメリット。しかし、センシス・ガッツォ製のオービスはカラー撮影ながら300km/h近いスピードでも対応可能なのです。
一方、のちに可搬式オービスに参入した東京航空計器の初期モデル・LSM-300は、従来の固定式オービスと同様にストロボは赤色光でした。しかし、LSM-300の後継モデル・LSM-310になると白色ストロボを採用。カラー撮影が行えるようになったのです。
LSM-310の導入がスタートしたのは2020年のことで、現在のところ可搬式オービスはLSM-300が多数を占めている状況。とはいえ、センシス・ガッツォ製のMSSSと合わせると白色光ストロボを採用する可搬式オービスが増加していることから、光った色が赤色でないからと安心できない状況です。

ラジオライフ編集部

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