NHK放送センター建て替え費用1700億円は妥当?
NHKについて、ここ数年たびたび議論になるのが「NHKは受信料を無駄に貯め込んでいる」という話題です。実際、NHKにはすでに3000億円以上の剰余金があり、そのうち1700億円近くが放送センターの建て替え費用として積み立てられているのです。はたして、このNHK放送センター建て替え費用の1700億円は適切なのでしょうか。

NHK放送センター建て替え費用1700億
NHKがWebサイトで公開する財務状況によると、2020年度末時点でNHKが確保する剰余金は約3225億円にも上っています。この剰余金のうち、「建設積立金」という名目で積み立てられているものが1693億円あり、2021年から工事が開始されたNHKの本社建て替えに使用される予定です。
NHKの基本計画によると、新NHK放送センターは現在の放送センターと同じ場所で建て替える予定で、完成後の延べ床面積が約23万平方メートル、建て替え費用として約1700億円を見込んでいます。NHKが放送センターの建て替えを急ぐのは、もっとも古い東館が完成後50年以上と老朽化が進んでいることが最大の理由です。
もともと現在のNHK放送センターが立つ場所は、1964年の東京オリンピック向けの報道センターとして整備がスタート。オリンピック開催後に、NHKの本社機能が移転してきた経緯があります。そのため、もっとも古い東館は東京オリンピック当時の建物をそのまま使用しており、老朽化は避けられないところです。
NHK放送センター建て替え費用見直し
しかし、NHK放送センター建て替え費用の約1700億円という建設コストは床面積1平方メートルあたり約74万円と高額。国土交通省が発表する「建築着工統計」によると、2021年度に建設された鉄骨鉄筋コンクリート造ビルの平均費用は、床面積1平方メートルあたり約35万円となっており、NHK放送センターの建設コストはこの2倍以上です。
NHKの計画によると、新NHK放送センターの主要棟にあたる「情報棟」「制作事務棟」には免震構造を採用するほか、最大168時間対応できる非常用電源を設置。NHK職員のほか、外部帰宅困難者向けの飲料水や食料の備蓄スペースも用意するとのことです。
とはいえ、約1700億円という高額なNHK放送センター建て替え費用には批判も多く、2026年以降に着工予定とされる1100億円分についてはNHKも建設コストの見直しを検討すると発表しています。新NHK放送センターがすべて完成するのは2036年の予定で、それまでにNHKがどれだけNHK放送センター建て替え費用の見直しを行えるかは、今後も注目です。

ラジオライフ編集部

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