クイックリバースを初搭載した懐かしいラジカセ
カセットテープのA面とB面を、カセットの入れ替えなしで聞きたい願望は、ラジカセが誕生した時からありました。1970年代半ばには、各社から片面のみを繰り返し聞けるオートリワインド/オートリピート機能が開発されます。そして、クイックリバースを搭載した最初のステレオラジカセが東芝の「RT-S70」なのです。

クイックリバースは回転ヘッド搭載
1970年代後半には、東芝から初のオートリバース機「RT-9100SM」が発売されますが、初期のオートリバース機はヘッドを上下に移動するタイプで、反転に時間がかかりました。
それを改善したのが「RT-S70」で、磁気テープとリーダーテープの境目を光で感知し、ヘッドを瞬時(0.6秒)に反転させる回転ヘッドを搭載した、クイックリバース最初のステレオラジカセです。
クイックリバースの誕生により、1980年代はラジカセのオートリバース新時代を迎え、標準機能としてどのメーカーのラジカセにも装備されるようになりました。
クイックリバースほか3種のリバース
この時期の東芝は、基板をスピーカーの背面から上面に移動させ、スピーカーの背後から出る音もスムーズに抜けるように設計の改良が進み、さらなる音質向上を図っていたのです。
RT-S70の主な機能は、3種のオートリバース、クイックリバース(0.6秒)、5曲飛越し選曲(MQJS)、エディタースイッチ、ラウドネス、ダブルミキシングとなります。
受信周波数はAMラジオ放送(525~1605kHz)、FMラジオ放送(76.0~108.0MHz)で、出力はステレオ/最大8W(4W+4W)です。電源は単1形乾電池×8本、AC100Vで、サイズ/重さは496W×218H×131D㎜/5.3kg。1983年に発売された当時の価格は46,800円です。
The following two tabs change content below.

ラジオライフ編集部
ラジオライフ編集部 : 三才ブックス
モノ・コトのカラクリを解明する月刊誌『ラジオライフ』は、ディープな情報を追求するアキバ系電脳マガジンです。
■編集部ブログはこちら→https://www.sansaibooks.co.jp/category/rl

最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- 赤外線対応ビデオカメラでプロっぽく夜間撮影 - 2023年2月6日
- クラウドストレージの楽曲をオフライン再生する - 2023年2月6日
- 列車無線がデジタル化された路線の貴重な情報源 - 2023年2月6日
- 安全にフリーWi-Fiを使うための無料アプリ2選 - 2023年2月5日
- LINEトークの位置情報で待ち合わせ場所を共有 - 2023年2月5日
この記事にコメントする
この記事をシェアする
あわせて読みたい記事
関連する記事は見当たりません。