デジタル無線の規格を表す記号と数字の意味は?
アナログ無線の変調方式には「FM」や「AM」、そして「SSB」モードがあります。無線の世界では、FMモードが主流ですが、最近ではデジタルモードも増えてきました。そして、デジタル無線には多種多様な変調方式と規格があります。それを表しているのが「STD-T+数字」です。デジタル化されたおもしろ無線を受信する際のヒントになります。

デジタル無線の規格を表す記号と数字
おもしろ無線の世界では、デジタル変調の無線を単に「デジタル無線」と呼んでいます。しかし、FM変調やAM変調をメインとするアナログ波とは異なり、デジタル無線には無線ジャンルによって、いろいろな変調方式があるのです。
その規格を表しているのが「STD-T+2~3ケタ数字」で、デジタル無線はもちろんアナログ無線にも設定されています。これは通信・放送・無線機メーカーなどによって組織された、一般社団法人の電波産業会(Association of Radio Industries and Businesses)、略してARIB(アライブ)が制定したものです。
日本で使われる無線通信の、ほぼすべての規格を定めています。これを読み解くことで、デジタル対応の受信機の受信モードをどこに設定すればよいのかが分かってきます。
デジタル化された無線の受信モード
デジタル化されたおもしろ無線によく出てくる「STD-T」規格と使用している無線ジャンルを紹介しましょう。
まず「STD-T102」はFSK方式で、各種業務・放送業務・官公庁の無線、そしてタクシー無線や鉄道無線の一部で使用しています。これらはデジタル対応受信機で傍受することが可能。受信モードをアイコムは「NXDN」、エーオーアールは「DC-R」に設定すれば受信できます。
続いて「STD-T61」はQPSK方式で、警察署活系・消防・タクシー・高速道路・電気などの官公庁無線やインフラ関連の無線で多く使われています。同じQPSK方式でも防災無線移動系は「STD-T73」で別の規格です。これらはデジタル対応受信機では聞くことができません。
そして「STD-T98」はFSK方式で、聞けるデジタル無線の筆頭であるデジタル簡易無線の規格です。アイコムとエーオーアールともに「DCR(DC-R)」モードで受信できます。

ラジオライフ編集部

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