消防ヘリが地上と交信するカンパニーラジオとは
消防組織の航空隊「消防ヘリ」の無線はアナログ波を使用しています。エアーバンドで行われる管制機関との交信以外に、ヘリと地上の航空隊が通話する運行管理用の「カンパニーラジオ」がAMモードで割当てられているのです。消防ヘリのカンパニーラジオは、ヘリの出動が分かるので、事案の発生や災害現場が特定できます。

消防ヘリ運航管理用カンパニーラジオ
政令指定都市の消防本部と東京消防庁では、消防ヘリを運用しています。他の37道県は防災ヘリを配備。単独で消防ヘリを運航するほどの規模ではない県内の消防本部が、県の主導で防災ヘリを共同で運用しています。
消防・防災ヘリは、大きな火災が発生すると上空から警戒や消火活動を実施したり、行方不明者の捜索や急患の搬送などに使用されるのです。
消防ヘリと地上の航空隊が通話する運行管理用の周波数がAMモードの「カンパニーラジオ」です。消防ヘリのカンパニーラジオの周波数は129.750/131.150/131.875/131.925/131.975MHzが割り当てになります。
消防ヘリのカンパニーラジオで中継
カンパニーラジオは離着陸時に異常の有無を報告するといった運航に関する通話が中心になりますが、まれにデジタル消防無線の中継も行われるようです。
山岳救助でウインチを上下させて救助する「ホイスト救助」などを実施する場合は、デジタル消防無線や防災行政無線での報告をはじめ、カンパニーラジオでも航空隊に状況が伝えられます。
ヘリコプターのコールサインは、「ゆりかもめ」のように機体の愛称を使う場合もあれば、航空機の「JA」から始まる登録記号を使うこともあります。
県が運航する防災ヘリの場合、カンパニーラジオ以外に、降下した隊員と防災ヘリの連絡で防災行政無線を用いることがあります。都道府県の防災行政無線移動系は、多くがデジタル化してしまいましたが、防災ヘリの交信用としてアナログ波を残している自治体も少なくありません。(文/おだQ司令)

ラジオライフ編集部

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