報道ヘリが使うマスコミ無線は聞けるデジタル波

Twitterには、大小さまざまな事件・事故の様子が、ほぼリアルタイムで流れてきます。しかし、現場からの断片的な情報に過ぎなかったり、信憑性に欠けることも…。それゆえ、情報の速度は遅くとも、公的機関などからの裏取りがされた確度の高い情報は、テレビや新聞といった従来のマスコミから得ることになります。

報道ヘリとテレビ局本社をつなぐ無線

そんなマスコミが、取材活動や現場中継に用いる無線が「マスコミ無線」です。マスコミ無線には種類があります。その中で、交信頻度が高く受信しやすいのは、テレビ局が取材や中継時の連絡に使用する放送事業用連絡無線です。

周波数の割当てはVHF帯とUHF帯にありますが、システムや使われ方が異なるため、受信マニアは「VHF帯放送連絡波」と「UHF帯放送連絡波」と呼んで区別しています。

VHF帯放送連絡波は、テレビ局が使う無線の主力です。テレビ局の本社と、報道ヘリなどの取材先や中継先などの現場をつなぐ無線になります。テレビ局では携帯電話はもちろんのこと、IP無線も普及し始めて業務に使われているようです。

そのため、すべての取材や中継で、VHF帯放送連絡波が開局するわけではありません。では、VHF帯放送連絡波の出番はいつなのかというと、報道ヘリと呼ばれるヘリコプターを飛ばして、取材や中継をする時になります。

これは携帯電話が法令の関係で、上空では利用できないからです。VHF帯放送連絡波を受信していると、報道ヘリを出動させるような大事件や大事故の発生を、いち早く知ることが度々あります。

VHF帯放送連絡波の最大の特徴は、デジタル受信機で聞けるデジタル無線だということです。ざっくりといえば、復調可能なデジタル無線の筆頭であるデジタル簡易無線と同じ、4値FSKと呼ばれる変調方式を採用しているからです。

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