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東京消防庁は署活系を独自のスタイルで運用する

東京都の稲城市と島しょ部以外を管轄する「東京消防庁」は、日本最大の消防組織です。東京消防庁にも署活系が割当てられています。他の消防本部では、署活系全17チャンネルの中から数波の割当てを受け、出場事案によってチャンネルを指定して運用する地域が多いようです。一方で、東京消防庁は全17チャンネルを使用しています。


東京消防庁は署活系を独自のスタイルで運用する


東京消防庁は署活系で独特の使い方

消防署活系の割当て周波数は466.3500~466.5500MHz(12.5kHzステップ)の全17波です。東京消防庁は署活系の全17チャンネルを使用。消防署ごとに周波数を1波割当てています。これは、署活系を消防署内の通信系として位置づけているのが理由です。

有線回線が途絶しても、消防署と管下の出張所を署活系で結ぶことを想定。そのため、毎日定時に消防署と出張所で通話試験を行うほか、地震や停電発生直後にも通話試験が行われるのです。

東京消防庁独特の署活系の使い方で、「署隊本部運用」があります。119番通報を受けた際、通報内容によって通信指令室である警防本部が事案を扱う「警防本部運用」と、軽微な事案を消防署(署隊)が扱う「署隊本部運用」に分類します。

警防本部運用は活動波を使うのに対し、署隊本部運用は署活系を使います。また、直近に救急車がいない時、ポンプ車を出場させて応急処置を行う「PA連携」でも、署活系で通話が行われます。


東京消防庁に現場連絡専用の割当て

出力1Wの署活系ですが、消防署からの送信は管内全域に電波を届けるため、屋上にアンテナを設置しています。そのため、出場隊の電波は届かなくても、消防署からの電波は、周辺の街中でキャッチできるでしょう。

東京消防庁では各消防署に割当てた1波以外にも、現場連絡専用の割当ても存在。東京消防庁管内共通の共通A波(466.5000MHz)と共通B波(466.4500MHz)のほか、管内を10地域に分けた方面ごとに、方面共通波が割当てられています。

通常は共通B波を使用しますが、近隣で複数の災害が発生した場合には共通A波や方面共通波を使い、混信を防ぐのです。また、訓練では共通A波を隊員間の連絡に用い、方面共通波を模擬の活動波として使用しています。

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ラジオライフ編集部

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