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エアーバンド受信向けDJ-X11Aが登場した裏事情

「DJ-X11」の開発コンセプトはPCとのリンクです。データ通信解析に必要な検波出力、IQ出力、リモート操作を可能としていました。これらの固定機が装備するような機能をハンディ機に搭載してきたのは、発売当時、データ通信をPCで解析して“電波を見る”ことがブームになっていたからです。


エアーバンド受信向けDJ-X11Aが登場した裏事情

DJ-X11はAGC機能の搭載を見送った

その見られる電波がエアーバンドの「ACARS」で、受信波を解析すると航空機の位置情報が得られ、PC画面が疑似レーダーになりました。「Flightradar24」の原型ともいえる内容です。

DJ-X11は、ACRASのデコード率(解析の精度)を上げるために最適化が図られます。ACARSの信号データをPCに正しく入力するためには、AF(音声周波数)の高音域がきっちりと出力されることがポイントです。

ACARSは1秒程度の短いバースト信号ですが、ある程度の信号強度で受信できないとデコードエラーを起こします。これを防ぐためにアルインコは、DJ-X11にAGC(Automatic GainControl)機能の搭載を見送ったのです。

AGCは振幅変調(AM波)の特性である、音の大小に応じて電波に強弱を付けて送信する欠点を補う機能。AM波の弱い電波を受信すると、音声は小さな音になってしまうのですが、AGC機能は音声信号を増幅して大きな音で出力します。

DJ-X11Aをエアーバンダー要望で追加

AGCは遠方を飛行している航空機側の弱い電波を聞く、エアーバンド受信には必須の機能。AGCを搭載しないDJ-X11は、弱い電波をバッサリと切り捨てて、強い電波だけをピックアップします。これによってACRASのデコードエラーを抑え、見かけ上のデコード率は高いものになりました。

当然、副作用が発生。エアーバンドの音声通信を受信した際、弱い電波の音声出力は小さなままです。エアーバンド受信では、遠方の電波をキャッチすることが重要。ノイズ交じりでも構わないので、大きな音で聞きたいのです。

そこで、アルインコはエアーバンダーの要望に応えて、AGCを搭載した「DJ-X11A」を2016年に追加しました。AバージョンはAGCが効いて、弱い音声波を受信しても大きな音が出ます。


DJ-X11Aの2波同時受信のサブバンド

エアーバンド受信にはDJ-X11AのAバージョンが最適なのですが、スケルチが閉じる際にわずかなノイズが発生。-8.5dB程度の許容範囲の音量ですが、スケルチの開閉が頻繁に起きるような、途切れ途切れの電波を連続して受信する際は、少し気になるかもしれません。

DJ-X11Aは2波同時受信モデルで、メインバンドはフルカバーですが、サブバンドの225~336MHzはコマンド操作で出現する低感度の保証範囲外となっています。

この帯域は、UHF帯エアーバンドのメインストリート。感度が悪くても、受信範囲であることに大きなメリットがあります。航空祭の現場や基地周辺であれば、エアーバンド専用アンテナを装着することで、管制側の電波は受信できるようになるからです。

DJ-X11Aは、2波同時受信モデルとして価格面(実勢価格41,800円)でも、入手しやすい受信機。エアーバンド受信には武器になる1台です。 (文/小林照彦)

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ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
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