鉄道無線の小ゾーン方式には八木アンテナを使用
無線の通信方式は違えど、電波の発信源となる基地局をどこに設置するのかは、無線の使用者にとって大きな課題です。無線通信の範囲となる活動エリアが狭い使用者であれば、本社に基地局を設置すればことは済みます。基地局の大ゾーン方式と小ゾーン方式の違いについて、詳しく見ていきましょう。
小ゾーン方式は前進基地局を複数設置
ところが、通信エリアが広大になる使用者は、別の場所にある高所に基地局を設置して大きなパワーで送信。活動エリア内に電波を飛ばして解決します。これが「大ゾーン方式」です。電波が広範囲に飛ぶので受信もしやすくなります。
大ゾーン方式でも、ビルや丘によって電波が届かないスポット、不感地帯が発生します。消防無線のように通信が途絶えてはならない無線では、管轄内の不感地域を解消しなくてはなりません。
そこで採用するのが「小ゾーン方式」。これは管轄内の各地に小規模な前進基地局を複数設置して、不感地帯を潰していく方法です。
鉄道無線は小ゾーン方式で線路に沿う
小ゾーン方式は、鉄道や高速道路の無線でも使われています。通信エリアは、線路や道路に沿った「線」になるからです。
この場合、基地局からの電波は全周に飛ばす必要がないので、特定の方向へ一直線に電波が飛んで行く特性を持った、八木アンテナを使って基地局を設置。2本の八木アンテナで挟み込んだ小ゾーンを、数珠つなぎに形成していきます。そのため送信電力も低く抑えることが可能です。
弱めの電波は「線」に沿って飛んで行くので、線路や道路から離れた場所では、受信は難しくなります。鉄道無線の受信の際は、線路や道路に近づくのがコツです。
ラジオライフ編集部
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