警察ドラマでは描かれない捜査一課の仕事と待遇
警視庁や道府県警本部(以下本部)にある刑事部とは、その名の通り「刑事事件」を扱う部署。その中でも、殺人や強盗といった強行犯を扱うのが、警察ドラマでもおなじみの「捜査一課」です。警察ドラマでは描かれない、捜査一課の刑事の仕事や待遇を見ていきましょう。
捜査一課の刑事が4班に分けられる
警察ドラマで日々犯人を追う刑事とは違い、実際の捜査一課の刑事が日常的に追われている仕事は地味な内容がほとんど。緊急の事案などを抱えていなければ、朝7時半から8時半の出勤と同時に、捜査状況を確認する捜査会議が行われます。
その後、聞き込みや張り込みの必要があると出かけるのが「外回り」です。しかし、外回りの必要がないときに待ち受けているのが事件報告などの書類整理。警察といえども役所の1つなので、申請や報告などはすべて書類によって行われるからです。
午後からは外回りが中心となり、緊急事案がなくとも地域の有力者や協力者を訪ねて話を聞いて情報を得ています。これは通称「檀家まわり」と呼ばれ、有力情報を得ることで事件の解決に結びつけたり、事件を未然に防いだりするのです。
いざ事件が起きると、捜査一課の刑事たちはがぜん多忙を極めます。捜査本部が設けられると本格的な捜査がスタート。捜査活動は「地取り」「鑑取り」「特命」「情報」といった4班に分けられるのが通常です。
捜査一課の仕事は危険でも待遇は同じ
地取りとは一定の地域を決めて聞き取りを行うこと、鑑取りは被害者の交友関係などを中心に捜査を行うこと、特命は証拠品や遺留品に関する捜査を行うことで、情報は寄せられた情報に関する裏づけ捜査です。
しかし、どの捜査であっても基本は「聞き込み」。そして聞き込み捜査は、本部の捜査一課と所轄の刑事がコンビを組んで行われます。捜査一課の刑事は、管轄内で起きたさまざまな事件に接しているため、捜査方法において経験が豊富。一方、所轄の刑事は、地元の情報に詳しいため、互いの得手不得手を補うのです。
このように、社会的な影響の強い事件を扱うためか、捜査一課は「花形部署」ともいわれます。ただし、警察は異動が頻繁なため、捜査一課に配属されたとしても、次の異動でほかの部署に回される可能性は高いのが現実です。
ちなみに、捜査一課の仕事は刑事事件を扱うため危険性を伴う仕事でありながら、ほかの部や課と待遇が同じ。そんなこともあって、最近の若い警察官は、捜査一課を敬遠する傾向もあるといいます。
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ラジオライフ編集部
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