古畑任三郎は警部補…人気刑事たちの意外な階級

昭和の大ヒット刑事ドラマ『太陽にほえろ！』から平成の人気ドラマ『踊る大捜査線』に至るまで、いつの時代も警察ドラマはテレビに欠かせない存在です。そんな警察ドラマに登場する刑事たちには、もちろん警察の階級も設定されています。刑事ドラマの登場人物たちの階級について詳しく見ていきましょう。

往年の刑事ドラマは役職と階級に齟齬

往年の刑事ドラマ『太陽にほえろ！』の“ボス”こと藤堂係長のように、刑事ドラマの登場人物には「係長」「部長」という役職のほかに、警部や警部補という警察の「階級」も設定されています。ちなみに、石原裕次郎演じる藤堂俊介は、七曲署捜査一係長で警部という設定です。

警察の階級は下から「巡査・巡査部長・警部補・警部・警視・警視正・警視長・警視監・警視総監」という決まり。また、巡査と巡査部長の間に「巡査長」という階級もあります。

ただし、当時の刑事ドラマは時々、役職と階級に齟齬が見られることがありました。例えば、『太陽にほえろ！』の藤堂係長は警部という設定ですが、警部ともなれば都道府県警本部なら課長補佐か係長クラス、所轄なら次長や課長クラスが普通でしょう。所轄の七曲署ではやや違和感がある設定といえます。

派手な爆破シーンで有名な刑事ドラマ『西部警察』で、やはり石原裕次郎が演じた小暮謙三は、警視で捜査課長でした。警視ともなれば小さな所轄で署長、大きな所轄でも副署長クラスです。

さすがに平成の刑事ドラマではこうした矛盾点は少なくなり、役職と階級が事実に近いことが多くなります。そして、結果的に主人公クラスの人気刑事に「警部補」や「巡査部長」といった階級が多く見られるようになるのでした。

例えば、田村正和が演じる『古畑任三郎』は警部補、『踊る大捜査線』で織田裕二が演じる青島俊作も警部補、深津絵里が演じる恩田すみれは巡査部長でした。『SP』で岡田准一が演じる井上薫は巡査部長、真木よう子が演じる笹本絵里も巡査部長です。

実際、警察官の9割は警部補以下といわれ、それ以上は管理職として現場に出ることが少なくなるのが実状。捜査現場で活躍する刑事を描くには、警部補や巡査部長がふさわしい設定というわけです。

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