公営ギャンブルで税金は儲かったお金にかかるのか

競馬をはじめとした公営ギャンブルでは、賭けた100円が10万円以上になることも珍しくありません。とくに、競馬・競輪で行われている複数レースの1着を当てるタイプの賭け方では、100円が1億円以上になったケースも存在。公営ギャンブルで儲かったお金は税金を支払う必要はあるのでしょうか。

公営ギャンブルの税金は配当にかかる

確率上、公営ギャンブルの場合、賭けた金額の一定割合が主催者に回る仕組みで「賭ける＝主催者へ税金を払う」ともいえ、儲かっても税金を払わなくてよさそうとも考えられます。しかし、競馬などで手に入れた公営ギャンブルの配当金は「一時所得」扱いとなり、ある金額を超えると所得税の課税対象。公営ギャンブルも税金を払わなければなりません。

課税対象になる一時所得には、公営ギャンブルの配当金だけでなく、福引きやクイズ番組などでもらった景品、生命保険の一時金、財布を拾ったときの報奨金などが含まれます。これらに共通するのは、仕事でもらう給与や業務報酬でないこと、そして年金のように定期的に受け取るものではない点です。

一時所得は、1回ではなく年間通じて50万円以上を受け取ると所得税の課税対象。公営ギャンブルは、馬券や舟券の購入金額のうち、当たった分だけが必要経費として認められます。例えば、公営ギャンブルで年間100万円負け続け、年末に1度だけ100万円の配当があった場合も、経費になるのは年末購入分のみです。

公営ギャンブルの税金で気になるのはその税率ですが、これはその他の収入によって変わってきます。というのも、配当金から必要経費＋50万円を引き、その50％を課税所得にプラスする仕組みで、もともと収入が多い人ほど所得税率が高くなるためです。

公営ギャンブルの税金を配当金で計算

例えば、まったく収入がなく公営ギャンブルの競馬だけで100万円儲けた人であれば、一時所得の課税対象額は100万円－50万円の50％にあたる25万円ですが、基礎控除が45万円あるため公営ギャンブルの税金は発生しません。一方で、本業で5000万円の課税所得がある人は、25万円の45％にあたる11万2500円の公営ギャンブルの税金が課されます。

注意したいのが、一時所得はすべてまとめて計算する点です。例えば、アンケート景品で200万円相当の自動車が当たった場合、それだけで一時所得の課税ラインを超えてしまいます。このような年は、競馬の単勝式を100円だけ買い1000円の配当金があっただけでも900円分が公営ギャンブルの税金になるのです。

このように、公営ギャンブルの税金が配当金に課されるケースも少なくありません。ただし、競馬場や競輪場など公営ギャンブルで少額を現金で賭けている場合、税金はほぼ見逃されているのが実状。というのも、公営ギャンブルの税金をそこまで税務署が積極的に調査をしていないためです。

一方、ネットを利用して公営ギャンブルに賭けている場合、銀行口座の入出金記録が残るため、一時所得として確定申告をして税金を納めないと脱税で調査を受ける可能性が出てきます。とくに「Win5」「ドカント」といった重賞式で高額配当を受け取った公営ギャンブルの税金では確定申告が欠かせません。