常に聞こえてくる放送のような航空無線がある?
管制官とパイロットの交信に耳を傾けるのが航空無線の楽しみ方。そんな航空無線に、常に聞こえてくる放送のような無線があります。空港の気象情報をパイロットに向けて繰り返し提供している「ATIS」です。ATISでどのような内容が伝えられているのか、そしてどんな活用方法があるのかを見ていきましょう。

ATISは自衛隊の飛行場でも運用
航空無線は基本的に、航空機のパイロットと空港にいる管制官との無線交信がメイン。航空を意味する「AIR」と、無線の周波数帯を表す「BAND」を組み合わせて、エアーバンドと呼ばれることもあります。
そんな航空無線で、放送のように常に流れているものが存在。それが「Automatic Terminal Information Service」の頭文字を取った「ATIS」です。“エーティーアイエス”と発音したり“アティス”とも呼ばれます。
ATISは空港だけではなく、自衛隊やアメリカ軍の飛行場を含め、全国32か所で運用されているもの。日本語にすると「飛行場情報放送業務」となり、双方向の交信ではなく、パイロットに空港の状況を伝える放送です。
ATISで受信機の入感状態チェック
周波数を合わせると、録音された英語の音声が繰り返し聞こえます。ATISの内容は空港名、何時の情報か、滑走路への進入方法と向き、DEPの周波数、風向、風速、視程、雲の形と高さ、気圧といった気象に関するものです。
気象情報なので、30分ごとに更新されますが、天候が急変した時は即座に入れ代わります。ATISの内容で注目したいのが滑走路の向き。ATISで事前に情報を得ておけば、着陸機がどちらの方向から進入してくるのかが分かるからです。
パイロットとの交信ではないので面白味には欠けますが、常に電波が出ていることを利用して、受信機の入感状態をチェックするために使うという利用法もあります。ATISは活用しがいのある航空無線なのでした。
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ラジオライフ編集部

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