オリンピック開会式上空で交わされたヘリの交信
「2020東京オリンピック」はたくさんの電波が飛び交う“無線の祭典”でもありました。話題となったブルーインパルスの展示飛行以外でも、エアーバンドにさまざまな動きがあったのです。ここでは、警察ヘリや報道ヘリなど、オリンピックを影から支えるために全国から集結したヘリコプターの活動についてまとめておきましょう。
警察ヘリコプターの応援部隊が飛来
開会式は7月23日でしたが、数日前からさまざまなヘリの動きが活発に。遠くは九州地方から、警察ヘリコプターの応援部隊が立川駐屯地など関東に飛来しました。
開会式は夜ということもあって、昼間は警察ヘリの警戒が主体でしたが、夕方以降になると警察&報道ヘリが国立競技場周辺に集結。各機は「東京TCA」(124.750MHz)と交信し、TCAアドバイザリーを受けていました。
それと同時に「オリンピック・ローカル」のローカル・ボイスで相互連絡波の122.600MHzも併用していました。その122.600MHzでは「スピーチ中なのでスタジアムには近づかないで下さい」という一幕もありました。
東京TCAと122.600MHzには、「オービーエス・シックス(OBS6)」など聞き覚えのないコールサインが度々登場しました。バックノイズからヘリコプターであることは分かったのですが、フライト追跡サービス「Flightradar24」でチェックするも、当該のコールサインは存在しません。
オリンピック放送機構ヘリの公式取材
「OBS」とはオリンピック放送機構(Olympic Broadcasting Services)の略号で、国際オリンピック委員会(IOC)の公式放送機関のこと。ここが朝日航洋・オールニッポンヘリコプター・東邦航空の3社に委託し、公式な取材を行っていたというわけです。
ちなみに、この「OBS」のコールサインは、カンパニーラジオや間接的に交信した他の管制機関との交信でも使っていたことを確認しています。
21時になるとTCAから全機に対して、「東京DEP」と126.000MHzで交信するようにとの指示。TCAの運用が21時で終わりとなるためで、オリンピック期間中は同じ流れでした。(写真・文/田中誠一)
ラジオライフ編集部
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