ETCスプリアス規制で使用禁止になる車載器とは
ETC車載器の話題に「2022年末に使えなくなるモデルがある」があります。これは、ETCに限らず無線機に関する規制のひとつ「スプリアス規格」が2022年12月に変更されることに由来するもの。しかし、実はETCスプリアス規制で使えなくなる車載器のモデルはごく限られるうえ、無線機を管轄する総務省がスケジュール自体を変更しているのです。

ETCもスプリアス規制で新規格に移行
スプリアス規格とは、ETC車載器をはじめとする無線機が、本来出す必要のない周波数で発信する「スプリアス電波」に関する規制を定めたもの。これまでも、スプリアス規格自体はありましたが、より厳しい規制を定めた「新スプリアス規格」に全面移行する予定で、本来その期限は2022年12月1日でした。
ところが、総務省は2021年夏に新規格への全面移行断念を発表。総務省は断念した理由を「新型コロナ感染症の社会経済への影響などにより、移行が遅れている」としています。これにより、旧規格のETC車載器も「当面の間」は「他の無線局へ妨害を与えない範囲」で引き続き使えることとなったのです。
それでは「当面の間」が過ぎてETCを含むスプリアス規格が新規格へ全面移行した場合、どの程度のETC車載器が使えなくなるのでしょう。この点については、ETC車載器を販売するメーカーや自動車会社が発表しており、ETCスプリアス規制で影響が出るのはごくわずかな車載器のみと判明しています。
ETCスプリアス規制で非対応ETC車載器
国産自動車会社の純正オプションとしては、日産自動車のカルソニックカンセイ(現マレリ)製の11モデルがETCスプリアス規制の新スプリアス規格非対応となっているものの、いずれも2006年4月以前に販売されたものです。また、トヨタ・三菱といった国産他社では、ETCスプリアス規制の新規格に非対応のETC車載器は純正オプションとして販売していません。
また、ETC車載器の製造・販売メーカー側からは、パナソニックが3モデル、クラリオン1モデル・矢崎2モデル・デンソー2モデル・日立1モデル・東海理化1モデルがそれぞれETCスプリアス規制での新規格非対応と発表されています。こちらも、新規格非対応モデルは2006年以前に製造・販売が行われたものです。
ただし、ETC車載器の製造・販売メーカーは自社ブランドのほか自動車会社などへのOEM供給を行っているため、正確にETCスプリアス規制の新スプリアス規格対応かを知りたい場合は総務省電波利用ホームページ内にある「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」というサービスを利用します。
このサイトでは、ETC車載器が無線機の基準を満たしたことを示す「技術基準適合証明番号」から、ETC車載器が使用する周波数やETCスプリアス規制のスプリアス規格への対応状況などを知ることが可能。なお、ETC車載器の技術基準適合証明番号は、本体に張られたステッカー内に記載されています。

ラジオライフ編集部

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