東芝が東京芝浦電気だったころの小型BCLラジオ
1970年代後半、BCLブームが過熱して各メーカーからBCLラジオの新機種が次々に登場するようになりました。機能・性能アップと引き替えに価格も上昇し、ついに中心価格は3万円前後となったのです。そんな中、1976年11月に東京芝浦電気から登場したのが「トライエックス(TRYX)1700」こと「RP-1700F」です。

RP-1700Fはコスパに優れたBCLラジオ
東京芝浦電気のBCLラジオ「RP-1700F」は、比較的小さなボディで18,500円という手頃な価格ながら、他社の上級モデルと同様に短波帯は28MHzまでカバー(SW1:3.8~12MHz/SW2:15~28MHz)。
そして、マーカー発振器と円盤状の大型スプレッドダイヤルの装備で5kHzまでの周波数直読が可能となるという、コストパフォーマンスに優れたモデルでした。
ただし、RP-1700Fはシングルスーパーヘテロダイン方式で、イメージ信号が大きく出る傾向にあり、本物のマーカー信号とイメージ受信したマーカー信号を区別するのには慣れが必要だったのです。特にSW2バンドの15~28MHzはイメージ受信が強く出るためマーカーの使用には熟練を要しました。
RP-1700Fにモールスの送信練習機能
また、東京芝浦電気のBCLラジオに採用されたマーカー発振器の多くは、コイルとコンデンサを組み合わせたLC発振回路で、温度変化による周波数安定度がいま一つという難点もあったのです。
そこでRP-1700Fは、スプレッドダイヤルの右下に「MARKER ADJ」と記された調整孔を設け、「JJY」(短波帯の標準電波)を聞きながら、この穴にドライバーを入れてマーカー周波数を校正できるように改善されたのです。
また、アマチュア無線のSSBモードやモールス通信を聞く場合に必須のBFO(Beat Frequency Oscillator/うなり発振器)は組み込まれておらず、隣接周波数からの混信除去に効果があるフィルターの帯域可変機能も設けられませんでした。
代わりにオマケ機能として、モールス符号の送信練習機能(照明兼用のMORSE CODE TRAININGボタンを押すとトーン信号が出る)が設けられていました。

ラジオライフ編集部

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