Wi-Fiジャマーは特定のデバイスだけジャミング切断可能

携帯電話やWi-Fiなどの電波を遮断して、一時的に使えなくするためのジャミング装置が「電波ジャマー」です。劇場やホールなどで携帯電話やWi-Fiをジャミングで抑止するために、無線局の免許を受けて電波ジャマーが設置されていることもあります。その発展形ともいえるのが「Wi-Fiジャマー」です。狙ったルーターだけをジャミングで切断できるという、Wi-Fiジャマーの機能を検証してみました。

Wi-Fiジャマーやジャミングとは「Jam」が語源

Wi-Fiなどを遮断するいわゆる「電波ジャマー」は使い勝手がイマイチという評判が一般的。というのも、電波ジャマーはWi-Fiだけでなく有効範囲内に入るすべての機器に影響を与えてしまうからです。例えば「携帯電話だけ使えてWi-Fiは切断する」とか「関係者が使うWi-Fiは接続したまま、フリーWi-Fiだけを切断」という細かい調整は電波ジャマーではできません。

Wi-Fiジャマーとは、Wi-Fiだけを通信遮断するジャマー（通信抑止装置）のこと。Wi-Fiジャマーのジャマーは「ジャミング（Jamming）＝妨害電波」する装置だから。Wi-Fiジャマーやジャミングの「Jam」は、交通渋滞（Traffic Jam）と同じ、混雑するという意味から来ています。Wi-Fiジャマーやジャミングは、Wi-Fi電波を混雑させて通信を遮断するというわけです。

しかし、そんな痒いところに手が届く次世代Wi-Fiジャマーが海の向こうでは開発されていました。さっそくWi-Fiジャマーの製品を入手してみると、見た目はよくあるモバイルWi-Fiルーター。これが狙ったWi-Fiだけを切断できるジャマーなのです。

Wi-Fiジャマーの内部を見てみると、Wi-Fiモジュール「ESP8266」が組み込まれています。Wi-Fiジャマーはモバイルバッテリーと接続すれば、モバイルWi-Fiルーターの構造そのものです。

Wi-Fiジャマーが接続デバイスのリストを表示

Wi-Fiジャマーが本当に使えるかを海外で検証してみました。使用手順はまず、Wi-FiジャマーとスマホをWi-Fiで接続。Wi-Fiジャマー自体がアクセスポイントになっているので、接続先を「pwned」にします。

そして、ブラウザからWi-Fiジャマーの「192.168.4.1」にアクセス。「あくまでも実験用機材なので悪用厳禁」という趣旨の警告が出てくるので、同意して次へ進めばWi-Fiジャマーのセッティングは完了です。

Wi-Fiジャマーの「SCAN」で、範囲以内にあるアクセスポイント（Access Points）や各アクセスポイントに接続されているデバイス（Stations）のリストを表示。Wi-Fiジャマーを使うと、MACアドレスまで表示されるようです。

Wi-Fiジャマーで特定デバイスをジャミング切断

Wi-Fiジャマーの「Attacks」では、SCANで選択したアクセスポイントやデバイスをジャミングにより切断可能。Wi-Fiジャマーの「Beacon」では、偽のアクセスポイントが作成できるようです。

実際、Wi-Fiジャマーで有効範囲内のアクセスポイントを無効化したり、アクセスポイントに接続されている特定のデバイスの通信だけをジャミングで遮断できました。

Wi-Fiジャマーの電源はmicroUSB給電で、対応電波は2.4GHz帯、有効範囲は半径約数m以内です。Wi-Fiジャマーのサイズ／重さは約50W×60H×10Dmm／約80gとなっています。Wi-Fiジャマーの実勢価格は本体2,014円＋送料1,611円の合計3,625円。Wi-FiジャマーはeBayで購入しました。