靴カメラの作り方の検証と盗撮師インタビュー

2014年7月、通販サイトで靴カメラを販売していた男性2人が逮捕されました。この靴カメラは、靴のつま先に小型カメラを仕込んだもので、周囲にバレずにスカートの中などを撮影できてしまうという、かなり悪質なものでした。靴カメラの作り方がどのようなものなかを検証してみました。

靴カメラの自作に通販の小型カメラ

逮捕者が出た靴カメラは現在では発売停止になっています。しかし、ネット通販で販売されている小型カメラを使い、靴カメラを自作している輩もいるとか。靴カメラの作り方が実際にどういった方法なのか検証してみます。

靴カメラに使用したのは、量販店で売られていた黒いスニーカー、ネット通販サイトで購入したリモコン付き小型カメラ。靴カメラに使用されたリモコン付き小型カメラの相場価格は5,000～10,000円です。

靴カメラに仕込まれた小型カメラのシャッターは手元のリモコンで操作するもの。無線式の小型カメラはネット通販サイトなどでさまざまなタイプが販売されています。

靴カメラの作り方はベロ部分にカメラ

靴カメラの作り方は、このリモコン付き小型カメラをスニーカーやサンダルなど、靴のつま先に埋め込むだけ。靴カメラの作り方といっても、これだけで出来上がってしまうというわけです。

靴カメラの作り方を詳しく見てみると、靴のベロ部分にカメラ本体を仕込み、レンズをアッパー部分から覗かせる仕組み。靴カメラの作り方では、アッパー部分にピンバイスでレンズ用の穴を開けたら、きちんと貫通しているか確認が必要です。

そして、靴カメラの作り方では、ベロの縫い目を剥がしてカメラをセット。先ほど開けた穴まで、レンズを伸ばします。充電時に取り出せるよう、靴カメラの作り方ではベロの縫い目部分はマジックテープを貼り付けるとよいようです。

靴カメラの盗撮事件はイベント会場

こうした靴カメラを使った盗撮事件はあとを絶ちません。2022年には、神戸市中央区のイベント会場で、30代女性のスカートに、小型カメラを仕込んだ靴を差し入れたとして、会社員の男が現行犯逮捕。イベントスタッフが取り押さえたといいます。

靴カメラを含めた、悪質な盗撮犯罪は年々増加傾向にあります。警察庁によると、2021年の盗撮行為による検挙件数は5,019件で過去最多を更新。1,930件だった2011年から10年間で2倍以上に増えたことになります。

5年以内の再犯率も約36％と高く、背景には高性能なカメラを備えたスマホや高画質な小型カメラの普及があるようです。靴カメラのほか、傘を使った盗撮もよくある手口となっています。

靴カメラによる盗撮手口が一般に浸透

靴カメラによる盗撮について、本物の盗撮師に話を聞きました。大学生の時に盗撮行為にハマり、それ以来20年間、女風呂、トイレ、エスカレーターなどあらゆる場所でカメラを回し続けてきた、ベテランです。靴カメラを含めて、盗撮用小型カメラを30台所持しており、盗撮する場所や時間帯で細かく使い分けています。

一般的に盗撮師は、どこにカメラを仕掛けることが多いのでしょう。「靴カメラが大多数です。真下からのアングルが狙えますからね。ただ最近は、その手口が一般に浸透しつつあります」と話します。

このため、カメラを仕込んだちょっとでもヘンテコな靴を履いていれば「簡単に見抜かれますよ」とのこと。「靴カメラは一時期、市販されていましたよね。今ではあまり見かけませんが、それでもネットオークションなどで入手は可能です」というのです。

靴カメラを盗撮師は自作して埋め込む

靴カメラの市販価格は3万～4万円くらいとか。「でも、靴カメラ自体に録画機能がないため別途レコーダーを用意して、ケーブルでつなぐ必要があったり、形状が妙にゴツかったりします。価格の割りに使い勝手はイマイチ」というのです。

このため、この盗撮師は靴カメラを自作しています。「microSDカードに録画可能な小型カメラを靴に埋め込んでいます。暖かくなってきたらサンダルがベストですね。先端のソール部分に小型カメラを埋め込むのです」といいます。

サンダルは一般的な靴カメラと違い、いわば足が剥き出し状態です。「誰も撮影されているなんて思いもしませんよ。また、サンダル型の靴カメラの魅力はそれだけではありません。撮影していない時はレンズを指で塞ぐことができます」というのです。

靴カメラのレンズの反射で逮捕された

靴カメラはレンズの光の反射は意外に目立つものなのだとか。靴カメラのレンズの反射は「それがきっかけとなり、逮捕された人もいるくらいですから」と教えてくれました。実際、盗撮カメラ発見器の中には、LEDの光を放ってその反射を見て調べる製品があるくらいです。

盗撮師からしてみれば、靴カメラのレンズの反射は死活問題。だから最近は、ゲームセンターやパチンコ店などで盗撮を行う人が増えているとか。光でギラギラと輝いているような場所だと、仮に靴カメラのレンズが光っても、それほど気にならないものなのだといいます。

ゲームセンターの場合は、プリクラ機の下に足を入れて靴カメラで撮影。パチンコ店では、コーヒーレディを靴カメラで狙うのが主流といいます。

靴カメラのメジャーな盗撮スポット

靴カメラに使用する小型カメラを選ぶ際のポイントはあるのでしょうか。「サイズや画質はもちろん、最低照度もチェックしておきたいところです。スカートの中って暗いんですよ」と語ります。

「暗闇でも明るく撮れるような、高感度のカメラをできるだけ選ぶようにしています。あと、サンダルに埋め込むなら、防水カメラとかも面白そうですね。海やプールには、無防備な女性が山ほどいますから」と、実体験に基づいた靴カメラの撮影アイデアが止まりません。

靴カメラのメジャーな盗撮スポットはどこなのでしょうか。「都市部などでは地下鉄の通風孔がある場所。これが、繁華街などに結構あるんですよ。しかも、特殊なカメラを使う必要はありません。近くに座ってアイフォンなどで録画していればいいんですから。しかもこの“風パンチラ”は女性の恥らう姿も拝見できるのがいいんです」と話します。

最後に、女性が盗撮の被害に遭わないために気を付けるべきことは何でしょう。「怪しい行動をしている男性がいたり、トイレ内や風呂場に不審物があった時は、駅員や警察官、関係者などに直ちに知らせましょう。こうすることで、盗撮被害を最小限に食い留めることができるかと思います」とアドバイスしてくれました。