紙幣にブラックライトを当てると何が出てくる?
紙幣はセキュリティ技術の宝庫です。新シリーズが発表されるたびに積み重ねられる印刷技術とインクで、偽造犯罪に対抗しています。国によって異なりますが、現代の紙幣には平均20種前後の偽造防止策が施されているのです。ゆえに、そのプロテクトを理解して本物の特徴を知っておくことが重要といえます。仮に偽札を手にしても、真贋を見分けられる可能性が高まるからです。

ブラックライトで紙幣の偽造防止策
紙幣に施されている偽造防止策を確認するための身近なツールの1つが、紫外線を照射できる「ブラック(UV)ライト」です。本物の紙幣に紫外線を当てると、表面の印影が青白く光ります。
紫外線とは100~400nm程度の光の波長を指し、紙幣の真贋判定にはその中でも可視光線に近いUV-A(ultraviolet A)の315~400nm程度のものを使います。LEDライトや蛍光管タイプがあり、価格は1,000~3,000円ほどです。
個人が海外旅行に持っていくのなら、乾電池で利用できるLEDライト型がいいでしょう。携帯性が高く、怪しいと思ったらパッと使えます。一方、お店を経営していて、インバウンドな場面で外国紙幣を多く取り扱うなら20W蛍光管タイプが便利です。
ブラックライトで紙幣の真贋鑑定する
レジ付近に電気スタンドを置いて白色蛍光灯の代わりに20W蛍光管タイプのブラックライトをセットしておけば、紙幣を常時チェック可能。偽札を使おうとする不良外国人を牽制できる、防犯アイテムにもなるでしょう。
例えば、日本の1万円札の紙幣は、表面左下にある日本銀行総裁の印影が紫外線反応により色が変化する仕様。可視光線では朱色ですが、ブラックライトを当てると青白く輝くのです。
このようにブラックライトは真贋鑑定において非常に便利ですが、万能ではありません。紫外線に反応する特殊インクは、不可視の「マジカルライトペン」「スパイペン」などの文房具として販売されています。色も豊富なため、紫外線反応の部分を摸倣することは不可能ではないでしょう。
実際、中国では紫外線反応をスルーできる高精度なSクラスの偽100元札が流通しています。ブラックライトで青白く光れば絶対本物と決めつけるのは少々問題ですが、ウィークポイントを理解した上でうまく活用したいものです。
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ラジオライフ編集部

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