戦闘機は英語で交信する航空無線のセリフに自衛隊の暗号？

航空無線は国際的な取り決めで英語もしくは母国語とされていて、日本では基本的に英語を使用して交信します。このため、民間機の航空管制は英語の使用が基本です。それでは、自衛隊の戦闘機などが使う航空無線の交信は何語が使われているのでしょうか。自衛隊は日本の組織ですが戦闘機の航空無線の交信のセリフは英語を使っています。

戦闘機が英語の航空管制を受けるのは民間機と同じ

戦闘機など自衛隊の航空管制は、民間機と同じ基準に則って行われるので、英語での交信になります。新千歳空港（北海道）や小松空港（石川県）のように自衛隊の基地と空港が一緒になった官民共用空港の場合は、自衛隊員の管制官が民間機に対して英語で指示を出しています。

逆に、戦闘機などの自衛隊機が、国土交通省の管制官に管制を受ける場合もあるのです。この時、自衛隊の戦闘機が使う航空無線の言語や用語に違いがあると混乱の原因となり、事故につながる危険性があります。

ただし、GCIでの交信や航空祭の時の指示といった、管制から離れたところでの戦闘機などの自衛隊の航空無線の交信のセリフには、日本語が使われています。民間機のカンパニーラジオで、日本語が使われているのと同じような感じで、自衛隊の戦闘機が航空無線で細かいニュアンスを伝えるには母国語の方が手っ取り早いからでしょう。

戦闘機の英語交じりの航空無線ではセリフに暗号？

GCIとは、自衛隊の戦闘機など軍用機の航空無線ならではの闘うための管制席で「Ground Control Interceptor」の略。日本語では地上要撃管制になります。アンノウン（国籍不明機）や敵機へ、自衛隊が要撃機を向かわせる際に、地上の防空指令所から航空無線で高度や針路などを管制して、戦闘を有利に導くのです。

とはいえ、航空関係の用語は英語が多いので、実際には自衛隊の戦闘機のGCIの交信がすべて日本語というわけではなく、英語混じりの日本語です。

また、自衛隊の戦闘機などの無線では英語のほかセリフに暗号を使っているのでは？と、思っている人もいるでしょうが、その心配は必要ありません。自衛隊の戦闘機の航空無線の交信は専門用語が多いので理解しにくい部分はあるものの、内容が全く理解できないほどセリフに暗号を使用した無線通信はごく一部です。