サイバー犯罪の捜査でも警察は組織力で対抗する
愉快犯などは衝動的で未熟な犯行が多く、ほとんどがログのIPアドレスから利用者を割り出せます。日経新聞社員によるタレントSNS不正ログイン事案などは、まさにその典型例でしょう。サイバー犯罪捜査で個人をどのように特定していくのか、その手法を詳しく見ていきましょう。
特殊な経済犯によるサイバー犯罪
IPアドレスは、プロバイダにより割り当てが決まっています。捜査事項照会をプロバイダに依頼すれば、すぐにネットやスマホの契約者に突き当たるでしょう。大手のキャリアやプロバイダには、当局の捜査対応専門の部署も存在します。
企業や学校が接続元なら、そこに残されたログから社内や学内で個人を特定。その後は、被疑者が捜査対象者と同一か任意で事情聴取を行い、任意で物品の提供をお願いします(拒否すれば押収)。自供や容疑の証拠が固まれば、逮捕に至るでしょう。
しかし、IPアドレスが判明しても、捕捉できないサイバー犯罪もあります。例えば、特殊な経済犯などは、本人確認のないフリーWi-Fiや、海外契約のプリペイドデータ回線SIM+スマホで国内ローミングを行ったりします。
サイバー犯罪でも足で現場を回る
こうしたサイバー犯罪では、IPアドレスだけではなかなか追跡できません。その場合は、辿り着ける最後の情報を元に、警察の組織力で対抗します。
Wi-Fiスポット現場周辺の聞き込みやカメラ画像を総当たりするといった、足で現場を回ることになるのです。Wi-Fiスポットの電波到達エリアまでの経路に設置されたNシステムの画像を確認したり、駅やコンビニを1軒1軒回って防犯カメラの映像を収集したり…。
事件に関連性のある映像が見つかれば、そこから画像解析を行い、被疑者の人着(人相や着衣)を確認。累犯が行われる時間や場所を狙って周辺で張り込み、現行犯での確保に賭けます。
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ラジオライフ編集部
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