警察無線のデジタル解読対策が強化された新型機の値段
デジタル化されて聞けなくなった警察無線で、いま大きな変化が起きています。というのも、都道府県内全域をカバーする「車載通信系」の無線システムが2022年までに総入れ替えされるためです。すでに、一部の都道府県では新型デジタル無線機への移行がスタート。入れ替えが進むデジタル解読対策が強化された警察の新型無線機の価格を見ていきましょう。
警察無線のデジタル解読は電波法違反
警察無線には、主に都道府県内全域をカバーする「車載通信系」と、各警察署ごとの管内で使われる「署外活動系(署活系)」があります。車載通信系の警察無線とはいいますが、パトカー・白バイに積む車載型だけでなく、携帯型も存在。どちらも警察無線の150MHz帯を使用します。
一方、警察無線で署活系用の周波数は350MHz帯。また、他都道府県の警察などとの連絡をとりやすくするため、全国どこへ移動しても使える「WIDEシステム」という無線もあり、こちらが使うのも350MHz帯です。
大きな事件が発生した場合、捜査で主に使われるのは車載通信系の警察無線だと言われています。数十年前、警察無線がまだアナログだった当時、受信マニアに人気があったのはこの車載通信系でした。しかし、今ではデジタル化・暗号化され、警察無線を暗号解読して受信すると電波法違反となります。
警察無線のデジタル解読対策が強化
車載通信系のデジタル警察無線については現在、多くの都道府県で2003年から導入が始まった「APR」システムが使われています。ところが、デジタル警察無線機自体の老朽化に加え、2022年から厳しくなる新スプリアス規制に対応できないことが判明。全国的に新システムの警察無線「IPR」へ移行することが決まりました。
IPRでは、APR以上に警察無線のデジタル解読などに対する通信セキュリティ対策が強化されるほか、WIDEシステムやパトカー照会指令システム「PAT」の機能も統合。APRシステムとの互換性はなく、IPRへのシステム入れ替えとともにデジタル警察無線機も刷新されるのです。
そして、埼玉県警では、IPRシステム用デジタル警察無線機のうち、携帯用機を合計約760台分、受信専用の受令機を3台分契約しました。デジタル警察無線機の方は、半分が充電器なし、半分がありとなっていて、どうやら無線機2台で1台の充電器を使用するようです。
これらを購入したIPRシステム用デジタル警察無線機の合計金額は、約1億7000万円。受令機分はごくわずかなので除外して、デジタル警察無線機1台あたりの価格を計算すると約22万円となりました。
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ラジオライフ編集部
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