白バイが緊急走行で殺人現場には向かわない理由
街中を流しながら交通違反に目を光らせる白バイの姿を目にしたことはあるはず。実際に違反キップを切られた人のなかには「交通違反を取り締まるヒマがあるなら、殺人や強盗などもっと悪質な犯罪を取り締まれ」と怒る人もいるかもしれません。しかし、そうした犯罪捜査は白バイ隊員の任務に含まれていないのです。

白バイのほとんどは交通機動隊に所属
白バイは、ほとんどが交通機動隊・高速道路交通警察隊のどちらかに所属しています。このふたつは各都道府県警で交通安全を担当する「交通部」に属する組織で、交通事故や交通違反の取り締まりが仕事のメイン。街で見かけた不審者に職務質問を行ったりするのは、白バイ隊員の専門外なのです。
仮に警察無線で殺人事件や窃盗事件の発生を聞いたとしても、白バイがその現場へ向かうことはありません。よく海外ニュースで警察官の乗るバイクと逃走犯がカーチェイスをする映像が流れますが、日本で白バイ隊員がそういう捜査を行うことはまずありません。
交通部の役割のなかには、交通安全を指導するというものもあります。どこの都道府県でも、年に何度か交通関連のイベントが行われますが、ここに参加するのも白バイ隊員の重要な任務。ただ交通安全指導をするだけでなく、訓練や取り締まりで鍛えた白バイの運転技術を披露するデモ走行が行われたりもします。
白バイは他部門と重なることがない
一方で、殺人や強盗、汚職といった大きな事件を捜査するのは「刑事部」です。都道府県警本部であれば捜査一課、捜査二課、捜査三課、警察署の場合は刑事一課、刑事二課といった部署になります。ちなみに、110番通報を聞き、覆面パトカーでいち早く現場に駆けつける機動捜査隊も刑事部内の部署です。
また、暴力団など組織的犯罪を取り締まるのが「組織犯罪対策部」、交番勤務やパトカーで街を見回る「地域部」、詐欺やストーカーなどを取り締まる「生活安全部」といった捜査部門もあり、それぞれの仕事が重なるケースもあります。
しかし、白バイの場合、他の部門と重なることがほぼなく、交通事故・違反の取り締まり専門です。例外は、VIPの車列やマラソン・駅伝などの警備での先導。警備部門が中心に行う活動ですが、先導だけは交通部の白バイが行うケースが多いのでした。
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ラジオライフ編集部

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