自ら隊配備のグロック45で発生したトラブルとは
通常、所轄警察署は管轄地域が決まっていて、基本的に定められたエリアでしかパトロールは行いません。しかし、警察署の管轄を越えてパトロール活動を行なう部隊があります。それが「自動車警ら隊(自ら隊)」です。警視庁には第一・第二・第八方面と第九方面の各自動車警ら隊が4隊あります。

自ら隊のオートマ拳銃に2つの問題
そんな自ら隊に、オリンピック警備の対策としてオートマチック拳銃の「グロック45」が配備されました。しかし、運用中に発生した2つの問題によって一斉回収されました。
というのも、グロックのランヤードはグリップ後面の穴に引っ掛けるように装着します。そのため、ホルスターに差し込んだ時に上側に飛び出てしまうのです。
ここがパトカー乗車時に引っかかりやすく、ランヤードの接続部が破損した事例があったといいます。従来のリボルバー拳銃の取り付け部は、グリップ底部から横に出るため引っ掛かることはなく、このようなトラブルはありませんでした。
自ら隊の拳銃をサクラに差し替えた
もう一つ、オートマチック拳銃のグロックは、グリップ内部にマガジンを差し込んで運用します。装填された弾丸を撃ち尽くしたら、親指でマガジンキャッチボタンを押下。空の弾倉がスルッと抜けて迅速な交換が可能です。
しかし、このボタンが乗車中に押されてしまい、マガジンの脱落があったらしいのです。マガジンは簡単に抜けてしまうものではありませんが、オートマチック拳銃の扱いに慣れていないと、このような脱落が起きるのかもしれません。
実包を装填したマガジンが脱落して、紛失となれば大問題になります。警視庁の自ら隊に配備されたグロック45は東京オリンピックの警備終了後に回収。代わりに、おなじみの“サクラ”こと「M360J」に差し替えられました。(写真・文/乾宗一郎)

ラジオライフ編集部

最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- 改造版「Pixelカメラ」で無音化を実現する方法 - 2025年4月2日
- 警察の監視カメラ「Nシステム」撮影されない方法 - 2025年4月2日
- バス無線から聞こえる街で起こったアクシデント - 2025年4月2日
- DJ-X100ファームアップで感度向上したAMモード - 2025年4月1日
- ノンキャリア警察官もキャリアも希望する警務部 - 2025年4月1日
この記事にコメントする
あわせて読みたい記事

職質のプロ「自ら隊」酒気帯び取り締まり裏ワザ

自ら隊配備のオートマ拳銃が一斉回収された理由

職質のプロ「自ら隊パトカー」昇降装置ある理由

職務質問のプロ「自ら隊」パトカーの見分け方
オススメ記事

2021年10月、ついに「モザイク破壊」に関する事件で逮捕者が出ました。京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は、人工知能(AI)技術を悪用してアダルト動画(AV)のモザイクを除去したように改変し[…続きを読む]

モザイク処理は、特定部分の色の平均情報を元に解像度を下げるという非可逆変換なので「モザイク除去」は理論上は不可能です。しかし、これまで数々の「モザイク除去機」が登場してきました。モザイク除去は[…続きを読む]

圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]

盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ」が急増して[…続きを読む]

おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]