WIRES-X(ワイヤーズ・エックス)の楽しみ方とは
インターネットに接続している「ノード局」にアクセスすることで、日本中はもちろん全世界の局と交信できる、八重洲無線の「WIRES-X(ワイヤーズ・エックス)」が大人気。WIRES-Xを手軽に利用できる無線機もどんどん増えています。八重洲無線のWIRES-Xの楽しみ方を紹介しましょう。
WIRES-Xは八重洲無線の新システム
交信可能なエリアを広げるために、無線機同士をインターネットで接続した通信方式「VoIP」がアマチュア無線で流行しています。その代表的なものが、2002年にスタートした八重洲無線の「WIRES(ワイヤーズ)」です。
インターネット経由で、専用のサーバに接続されているアクセスポイントの「ノード局」を介して、遠くの局同士が簡単に交信できる八重洲無線のシステムは、世界中で大好評となりました。
そして八重洲無線は2014年、業務用無線機で世界標準といえるデジタル方式、「C4FM」を採用したアマチュア無線機を発売。それに対応した八重洲無線の新しいシステム「WIRES-X(ワイヤーズ・エックス)」も始まりました。
WIRES-Xは八重洲無線のC4FM対応機
デジタル通信の特徴を活かして、八重洲無線のWIRES-Xは高音質で操作も簡単、手軽に世界中と交信できることはもちろん、「ルーム(一種の会議室)」で仲間同士のラグチューを楽しんだり、「ニュースステーション機能」でメッセージや画像の保存・閲覧をする人が急増しています。
八重洲無線のWIRES-Xのノード局は日本全国で1,000局以上、全世界では1,300局以上と、わずか1年で急増中。近所にWIRES-Xのノード局があれば、八重洲無線の「FT1D」や「FTM-400D/DH」などのC4FM対応機で簡単に楽しめます。
そしてインターネット回線とPCがあるアマチュア局なら、自宅にWIRES-Xのノード局を自由に開設することも可能。ノード局を始めると八重洲無線のWIRES-Xはさらに世界が広がっていきます。
WIRES-Xのノード局にFTM-400D/DH
八重洲無線のWIRES-Xでノード局を開設するには、まずアマチュア無線機「FTM-400D/DH」が必要です。C4FMデジタルとFMアナログモードを装備し、これ1台でWIRES-Xの既存ノード局へのアクセスも可能という144/430MHz帯モービル機で、GPSレシーバも内蔵されています。
2015年3月現在、WIRES-Xのノード局をC4FMデジタルモードで開設する場合は、この機種が必須。ほかにDC13.8Vの外部電源と外部アンテナなどの無線の基本設備が必要です。
次にWIRES-X接続用キット「HRI-200」が必要になります。WIRES-Xのノード局設置のための機器で、インターネットに接続したPCとFTM-400D/DHの両方に接続して使用します。電源はPCと接続したUSBケーブルから供給されます。
そして「WindowsPC+インターネット回線」も必要です。WIRES-Xソフトウェアを動作させるため、クロック周波数2GHz以上、HDDの空き容量1Gバイト以上のWindowsPC(対応OSは8.1/8/7/Vista)と、常時接続しているインターネット回線が必要です。
WIRES-Xオーナーズページで無償提供
「WIRES-Xソフトウェア」も忘れてはいけません。八重洲無線のWIRES-Xオーナーズページで無償提供される、ノード局用ソフト(Windows専用)の最新版が必要です。
HRI-200を購入したら、八重洲無線のWebサイトからノード局開設の手続きを行い、ノード局とルームのID番号を発行してもらいます。その上でHRI-200付属のケーブルでPCとHRI-200、FTM-400D/DHを接続。続いてWIRES-Xソフトウェアを立ち上げます。
初回は、設置場所で使っているルータのポート開放作業が必要。ですが、取扱説明書に詳しい手順が出ていますし、ルータ側のUPnP機能を使うことで、比較的容易に行えるでしょう。この作業が終わるとソフトが起動し、初期設定でID番号などの必要事項を入力すれば、ノード局開設は完了します。
WIRES-Xのノード局の設置は自由
WIRES-Xのノード局は、個人やクラブが誰でもドコでも自由に設置可能です。430MHz帯や1200MHz帯などの「レピータ局」の場合、開設しようとすると、まずJARLに相談し、膨大な審査書類の作成や管理団体の結成、資金を捻出して…と、大がかりで時間も費用もかかります。
ところがWIRES-Xのノード局は、個人・クラブを問わず、通常のアマチュア局の免許(変更)手続きで設置でき、都合のいい時だけ稼働させても問題ありません。必要な設備もごくわずか。
始めるための“ハードルの低さ”が受けたこともあり、多くのノード局が開設。そのほとんどが誰でも自由に使えるように開放された「オープンノード」です。
WIRES-Xに詳しい販売店で相談
八重洲無線のFT1DやFTM-400D/DHなど、C4FMに対応したトランシーバが1台あれば、近所のノード局にアクセスすることでWIRES-Xが楽しめます。
でも「もし近所にノード局がなかったら」とか、「面白くて毎日何時間も使ってしまったら」「使わせてほしい時に他局が話をしていたら」なんてあれこれ考えると、思い切って自宅にノード局を作ってしまうのが得策です。
例えば、ノード局に使うアンテナは室内設置の短いモービルホイップ、無線機の出力もローパワーに設定すれば、自宅とその周辺だけで使えるようにもできます。
最近はWIRES-Xに詳しい販売店が、どんどんオープンノード局を開設しています。気軽に試すことができますし、スタッフの方にいろいろと相談にのってもらえるでしょう。
WIRES-Xの醍醐味とは?
WIRES-Xのノード局を開設したら、「ルーム(ROOM)」も開設しておきましょう。WIRES-Xのルームは公開された“会議室”のようなもので、各局がそこに集まって交信やラグチューを楽しむ場所。一種のサブチャンネルといってもいいでしょう。
WIRES-Xのルームには「移動運用好きの情報交換用」「三浦半島ローカルの親睦用」「○○アマチュア無線クラブの連絡用」といったように、テーマや用途を決めることもできますし、“誰でも自由にCQを出して下さい”といったかたちでテーマを設けずに自由運営とすることも可能。好みのルームを開設し、そこに集まってくれた各局と交信を楽しむのは、WIRES-Xの醍醐味です。
ちなみに、数あるWIRES-Xのルームの中で1番利用者が多いのは、“CQが出せる広域レピータのようにお使い下さい”という「ALLJA-CQ-ROOM」で、平日でも100局近くが入室・待機しています。
WIRES-Xにはコンテンツ機能
WIRES-Xにはノード局やルーム内に、画像データや文字情報などを保存・閲覧できる「ニュースステーション」という機能があります。これは誰でも利用可能で、「アマチュア無線の中でコンテンツが楽しめる」という画期的なものです。
例えば「鉄道ファンのルーム」を開設して、そこに集まる局が自分で撮影した列車の写真を披露したり、臨時列車の運行など最新の情報を書き込んだりできるわけです。
また、英語に不安がある人でも海外のニュースステーションにアクセスして、そこに保存されたメッセージや画像をダウンロードして楽しむことが可能。実際にアクセスしてみたところ、保存されていた海外局ならではの楽しい画像、テキストや音声メッセージをたくさん確認することができました。
画像の撮影とアップロードには、FT1D やFTM-400D/DH に対応した、カメラ付きのマイクロフォン「MH-85A11U」を利用すると手軽で便利です。
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