CB無線の遠距離交信の秘密「Eスポ」って何だ?
長いロッドアンテナに無骨な筐体。一時は下火になったもの、ここに来て再びユーザー数が増加するという、息の長いジャンルがCB無線です。CB無線の独特の魅力は遠距離交信の達成といっても過言ではないでしょう。CB無線の遠距離交信とは切っても切り離せない「Eスポ」とは何のことでしょうか。
Eスポは5~9月半ばに多く発生
CB無線の割当てである27MHz帯は、短波(HF)帯です。そのため「スポラディックE層(Eスポ)」と呼ばれる電波の異常伝搬により、普段は見通し距離が数十km程度しか飛ばない電波が、突如として数百km以上、場合によっては1,000km以上飛ぶことがあります。
Eスポは5~9月半ばくらいに多く発生し、東京都内から北海道と交信できるなんてことも。それゆえシーズンになるとフリラー(ライセンスフリー無線愛好者)達は、Eスポを狙って1日中待機することもザラです。
超遠距離交信を達成するというダイナミックな楽しみ方が、CB無線最大の魅力といっても過言ではありません。なお、Eスポ発生の情報をつかむには、ネットを駆使するのが現代流。「NICT(情報通信研究機構)」が15分おきに発表するイオノグラム、掲示板「11mリアルタイム情報」、各種SNSなどを利用しています。
CB無線の変調方式は、AM変調(振幅変調)を採用しており、FM変調に比べるとこもったような音声に聞こえます。良く言えば、“暖かみのある音”。まあ、無線に慣れていないビギナーには、やや聞き取り辛く感じるでしょう。
CB無線には大きく2つの選択肢
ただ、このAM変調は混信に非常に強いという長所があるのです。FM変調は音質がクリアに聞こえますが、強く入感する電波のみを復調するため、弱い電波はかき消されてしまうという欠点があるのです。
その点AM変調は、強い電波が被っても、目的の交信がうっすらと聞こえてくるわけです。この弱い電波の中から会話として的確に聞き取るためには、数をこなして自分の耳を鍛える必要があります。一筋縄ではいかない、そういったヤリガイも、CB無線の面白さであるといえるでしょう。
CB無線に興味を持ち、入手したいと思ったら、現在は大きく2つの選択肢があります。1つ目は、ソニーやパナソニックから発売されていた中古端末を買うこと。ヤフオク!などで5,000円程度から落札可能です。
ただし、旧技適仕様のため2022年までしか使えません。また、発売から20年以上経過している機種がほとんどなので、状態を見極める目が必要です。価格はビギナーに優しいのですが、選んで使いこなすには知識が要ります。
2つ目が、新技適に対応した“新モデル”を購入すること。サイエンテックスの「SR-01」「JCBT-17A」、ポラリスプレシジョンの「Blackbird」などメーカーから新製品が発売されるという状況です。受注生産で価格もそれなりですが、まずは選択肢が増えたことを歓迎しましょう。
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ラジオライフ編集部
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