八重洲無線の最新ハンディ無線機「FT3D」の実力
八重洲無線の最新型ハンディ無線機が「FT3D」です。カラーディスプレイを採用していますが、その無骨なデザインは“ヤエス”らしい無線機です。FT3Dの特徴であるカラーディスプレイはタッチパネル方式を採用。周波数表示部をタップすると、テンキー画面に変わり、ダイレクトに周波数が入力ができる設計です。
FT3Dは受信機並みの広帯域受信性能
スマホのディスプレイが当たり前になっている私達にとって、FT3Dのディスプレイは小さく、小さな項目へのタップは難しそうですが、爪の先を使えば思いの外、レスポンス良く作動します。
ハンディ無線機の受信帯域が狭くなってきている昨今ですが、FT3Dは受信機並みの広帯域受信性能を維持しています。2波同時受信機能を備えており、どちらのバンドでもVHF帯とUHF帯のエアーバンドはフルカバー。V×VとU×Uの設定も可能です。
ただし、受信感度となるとヤエス伝統の240~300MHzの感度悪化が目立ち、実用的ではありません。感度が回復してくる300MHz帯の前半はヤエスらしからぬ展開で、受信感触はとても良好です。
過去のヤエスと違う点はもう1つ。スキャン&サーチ速度の速さで、どちらも毎秒50チャンネル前後とハンディ無線機最速。ヤワな受信機よりも圧倒的に速いのです。前モデルの「FT2D」(2015年発売)が鈍足だっただけに、この豹変ぶりには驚かされました。
FT3Dの録音機能は単なるレコーダー
そして、FT3Dは」待望の録音機能を搭載。その機能には大いに期待したものの、残念ながらアイコム式のように受信周波数を記録することはできない単なるレコーダーでした。しかし、八重洲無線のハンディ機が、変わろうとしていることが感じられる第一歩です。
メモリー編集ソフト「ADMS-11」は無料で利用可能。PCとの接続はケーブルのほか、microSDカード経由でも可能です。
広帯域での2波同時受信機能を維持しつつ、そこに高速スキャン&サーチが加わったFT3Dは、八重洲無線の新時代ハンディ機です。UHF帯エアーバンドの一部の感度には不満は残りますが、300MHz帯のTWR波がメインになる航空祭では活躍してくれることでしょう。
FT3Dの受信周波数範囲はAバンドが0.5~999.99MHz、Bバンドが108~579.99MHzとなっています。サイズ/重さは62W×100H×32.5D㎜/282g。実勢価格は52,800円です。
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ラジオライフ編集部
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