警視庁の捜査一課の刑事だけが付ける本物のバッジ
警視庁や道府県警本部にある刑事部とは、その名の通り「刑事事件」を扱う部署。その中でも殺人や強盗といった強行犯、さらには誘拐・人質立てこもりといった特殊犯を扱うのが「捜査一課」です。花形部署といわれる捜査一課の刑事の仕事と待遇について見ていきましょう。警視庁の捜査一課の刑事だけが付ける本物のバッジもあるのでした。
捜査一課は管理官が陣頭指揮を行う
捜査一課は各「係」に分けられていて、捜査自体は各係の捜査員が班を組んで行います。班をまとめるのが「係長」で、すべての係を統括するのが「捜査一課長」です。しかし、係長と課長の間には、課長の補佐的な役割を担う「理事官」とその下に位置する「管理官」という役職があります。
管理官の仕事は事件発生時に現場に向かい、捜査本部が設置されたときは陣頭指揮を行うという実質的な統括業務。理事官が置かれているのは警視庁のみで、ほかの本部では管理官がナンバー2となります。
警察ドラマで日々犯人を追う刑事たちとは違い、実際の捜査一課の刑事たちが日常的に追われている仕事とは、意外なことに地味な内容がほとんど。緊急の事案などを抱えていなければ、朝7時半から8時半の出勤と同時に、捜査状況を確認する捜査会議が行われます。
その後、聞き込みや張り込みの必要があれば「外回り」に出かけますが、必要がないときに待ち受けているのが、事件報告などの書類整理。警察といえども役所のひとつなので、申請や報告などはすべて書類によって行われるからです。
捜査一課のバッジは本物の刑事という意味
午後からは外回りが主となり、緊急事案がなくとも地域の有力者や協力者を訪ねて話を聞いて情報を得ます。通称「檀家まわり」と呼ばれ、有力情報を得ることで事件の解決に結びつけたり、発覚を未然に防いだりするのに役立てているのです。
捜査一課は花形部署ともいわれ、特に警視庁では捜査一課の刑事だけが「S1S(サーチ・ワン・セレクトの意)」という金文字の入った金枠付きの赤い丸バッジを装着。捜査一課のバッジの意味は「選ばれし捜査一課」もしくは「本物の捜査一課の刑事」というニュアンス。警察関係者の間では「一課の赤バッジ」といわれています。
ただし、警察は異動が頻繁なため、捜査一課に配属されたとしても次の異動でほかの部署に回される可能性は高いのが実状。つまり、いくら花形部署に在籍しているからといって、日頃からほかの部署を見下すような態度を取れば、異動した際にしっぺ返しを食らうこともありうるのです。
ちなみに、捜査一課の仕事は刑事事件を扱うため危険性を伴う仕事ではありますが、待遇はほかの部や課と同じ。このため、最近の若い警察官は捜査一課を敬遠する傾向もあるようです。
■「警視庁」おすすめ記事
警視庁と警察庁は何が違う?警察組織を理解する
■「捜査一課」おすすめ記事
捜査一課のほかに警察の刑事には何課あるのか?
■「警察官」おすすめ記事
よくある警察キャリアとノンキャリの確執はウソ
警察官の給料は特殊手当で公務員よりちょっと上
警察官は警視正以上は都道府県警でも国家公務員
警察官は階級で国家公務員か地方公務員か変わる
警察官の制服は「夏服・合い・冬服」3種が基本
■「警察」おすすめ記事
駐禁をとられても警察に出頭する必要はない
警察用語で「まぐろ」と「たたき」は何の意味?
警察の特殊部隊「SIT」と「SAT」の違いとは
ラジオライフ編集部
最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- AIサービスの進化とそこに潜んでいる問題点とは - 2024年11月25日
- NHK受信料が3倍徴収される割増金の対象期間は? - 2024年11月25日
- テレビ朝日は当初は教育専門局として開局した? - 2024年11月25日
- Kindle本を安全にダウンロードして保存する方法 - 2024年11月24日
- NHK受信料は自宅と車それぞれ契約が必要だった - 2024年11月24日
この記事にコメントする
あわせて読みたい記事
捜査一課が使う「げんじょう」「げんば」の違い
花形部署と思われがち「捜査一課」の仕事と給料
警視庁捜査一課の赤バッジ「S1S mpd」意味は?
警察で刑事が所属する捜査一課は何課まである?
オススメ記事
2021年10月、ついに「モザイク破壊」に関する事件で逮捕者が出ました。京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は、人工知能(AI)技術を悪用してアダルト動画(AV)のモザイクを除去したように改変し[…続きを読む]
モザイク処理は、特定部分の色の平均情報を元に解像度を下げるという非可逆変換なので「モザイク除去」は理論上は不可能です。しかし、これまで数々の「モザイク除去機」が登場してきました。モザイク除去は[…続きを読む]
圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]
盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ」が急増して[…続きを読む]
おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]