デジタル簡易無線が1枚基板に集約できた理由
デジタル簡易無線の第2世代機における最新トップモデルが、JVCケンウッドの「TPZ-D553」。5W機ながらもコンパクトボディを実現しています。そんなTPZ-D553の小型化の秘密は内部の1枚基板設計です。デジタル簡易無線が1枚基板に集約できた理由を開発チームに聞きました。

デジタル簡易無線は機能に制限
TPZ-D553の特徴は、分解するとわかる1枚の基板に集約された部品配置です。基板1枚のコンパクトな設計は、どんなところを工夫したのでしょうか。「とてもシンプルな基板で、見た目にも大きな部品が減っています」と話します。
「セラミックフィルターなどがありません。それらの部品はIC化しました。フィルター、アンプ、復調器などIF(Intermediate Frequency:中間周波数)系の機能がICに入っています」とのことです。
「回路機構として1番大きな部分がIC化されたことで、トータルで1/3くらいの部品点数で済みました。デジタル簡易無線登録局機は機能に制限があるので、小さなICでも十分処理できる」というわけです。
デジタル簡易無線の送受信周波数
デジタル簡易無線登録局の送受信周波数帯も、1枚基板に影響を与えています。「業務機は送受信の周波数範囲が広いので、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)を送信系と受信系に分ける」のが通常です。
しかし「デジタル簡易無線登録局機は送受信周波数が351MHz内と狭いため、送信系と受信系のVCOを1つにまとめました」といいます。
また「業務機の場合、送信周波数とローカル周波数の差が100MHzくらいあります。デジタル簡易無線登録局機は50MHzくらいなので、VCOも1つで済むのです。ここでも部品は3割ほど減らしています」と話します。
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ラジオライフ編集部

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