NHKが受信料裁判で敗訴したのはどんなケース?
テレビがあるだけで必ずNHKに受信料を払わなくてはいけない…という法律上の決まりは、NHKの番組をまったく見ない人にとってはうれしくないものです。とはいえ、受信料を巡る裁判でNHKが負けることはほぼありません。それでは、NHK受信料裁判で勝ち目があるのはどんな場合なのでしょう。
受信料裁判はNHK側の勝訴がほとんど
NHKは受信料を巡る民事訴訟については、訴訟件数や強制執行件数だけを発表していて、裁判の結果について非公開としています。しかし、NHK受信料を巡る裁判で、テレビを所有している人相手に裁判で争って敗訴となれば、大ニュースになることは間違いありません。
というのも、NHK受信契約そのものが憲法違反だと徹底的に争ったケースが過去にあり、2017年12月6日に最高裁大法廷が出した判決は受信契約は憲法違反ではないというものでした。また「受信契約を結ばない相手に対しては、裁判でNHKが争ったうえで勝訴すれば、受信契約を結べる」といった内容も含まれています。
そこで、朝日新聞のデータベース「聞蔵ビジュアルⅡ」で過去3年間分のNHK受信料についての記事を検索したところ、いずれの裁判もNHK側が勝訴したものばかりでした。記事のなかには、東横インがホテルの受信契約を巡り争ったものも含まれ、NHK側の主張をほぼ全面的に認めた判決が出ています。
NHKの受信料裁判で敗訴したケース
このような現状のため「NHKを見ないから受信料を払わない」程度の民事訴訟でNHKと争っても、まず勝ち目がないといえます。「テレビが1台もないのに受信契約を結ばされた」「パラボラアンテナもないしケーブルテレビとも契約していないのに衛星契約を結ばされた」といった極端なケースを除くと争う意味はほぼありません。
実際、2019年10月にNHKが受信料を巡る裁判で敗訴したと話題になったケースは、ホテルがパラボラアンテナを撤去したにもかかわらず、撤去月の料金が衛星契約のままだったというものでした。この場合、受信契約上も切り替えた際はその月から受信料は新契約の料金と決められているので、NHK側の分が悪いといえます。
この規定は、地上波のみからBS対応テレビに切り替える、といったことを念頭に作られたもので、逆パターンはNHKとしても想定外だったともいえるでしょう。また、BS放送をまったく見ないのであれば、アンテナを撤去すれば衛星契約からカラー契約へ変えることはできるということも判決は示しています。
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ラジオライフ編集部
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