関門トンネルにETCの料金支払い方法を利用できる裏ワザ

本州と九州を結ぶクルマ用の「関門トンネル」は、東名高速や名神高速より早い1958年に開通しました。現在の関門トンネルは、NEXCO西日本が管理して通行料金を徴収していますが、全国にあるNEXCO路線で唯一ETCが料金支払い方法に使えません。ETCの普及が進むなか、なぜ関門トンネルはETCの料金支払い方法から取り残されてしまったのでしょうか。

関門トンネルの料金支払い方法は現金かクレジットカード

「関門トンネル」は、NEXCO西日本が管理する山口県下関市と福岡県北九州市を結ぶ海底トンネルです。関門トンネルには、片側1車線で対面通行の車道以外に、歩行者が通る「人道」も併設していて、こちらもNEXCO3社が管理する珍しい路線となっています。

また、関門トンネルの車道は高速道路と違い51～125ccの自動二輪車も走行可能で、通行料金上の車種区分は「軽自動車等」になります。一方、50cc以下の原付自転車と自転車は関門トンネルの人道の方を通行する決まりで、こちらの通行料金は1回あたり20円です。なお、歩行者が関門トンネルの人道を通る通行料金は無料となっています。

そして、料金徴収面でも関門トンネルには特徴があり、NEXCO3社路線で唯一ETCが料金支払い方法に使えない区間となっているのです。これは、関門トンネルの料金所にアンテナをはじめとした料金支払い方法に必要なETC用設備がないためで、車道を通行する自動車のは現金かクレジットカードで料金を支払うことになります。

関門トンネルがETCの料金支払い方法を採用しない理由

はたして、NEXCO3社路線のなかで、関門トンネルだけETCの料金支払い方法を採用していない理由は何なのでしょう。NEXCO西日本に関門トンネルだけETCを料金支払い方法に採用していない理由を確認したところ「料金所で一旦停止をすることで通行量を減らし、トンネル内での事故を防ぐ」というものでした。

実際、関門トンネルは片側1車線で中央分離帯もなく、海底トンネルという地形上、トンネル内にアップダウンがあるなど、渋滞や事故が起きやすい要素が揃っています。関門トンネルの入口料金所でETCを採用せずに現金やクレジットカードの料金支払い方法で、全車が一旦停止すれば、その分通行量が減らせることも確かです。

また、多くの高速道路料金所と違い、関門トンネルの料金所は手渡しでもETCカードによる料金支払い方法を利用することはできません。関門トンネルでETCカードの手渡しによる料金支払い方法が利用できないのは、料金所がETCカードのICチップを読みとれないことが理由です。

関門トンネルにETCの料金支払い方法を利用できる裏ワザ

ただし、関門トンネルにはETCの料金支払い方法を利用できる裏ワザがあります。じつは、関門トンネルはETCコーポレートカードのみ料金所で料金支払い方法として利用することができるのです。

これは、通常のETCカードがICチップのみ搭載しているのと違い、ETCコーポレートカードにはICチップだけでなく磁気ストライプがあるため。関門トンネルの料金所は料金支払い方法でクレジットカードに対応しているため、ETCコーポレートカードの磁気ストライプ情報を利用することで支払いが可能となってるわけです。

ちなみに、関門トンネルの料金は軽自動車等が100円、普通車が150円、中型車が210円、大型車が260円、特大車が410円、そして軽車両等が20円となっています。また、関門トンネルには回数券も販売されており、料金は「11回券・60回券・100回券」それぞれ軽自動車等が1,000円・5,000円・8,000円、普通車が1,500円・7,500円・12,000円、中型車が2,100円・10,500円・16,800円、大型車が2,600円・13,000円・20,800円、特大車が4,100円・20,500円・32,800円、そして軽車両等が200円・1,000円・1,600円です。