確定申告でETCの領収書はどうやって発行する？

2月から3月にかけては、所得税の確定申告シーズンでもあります。勧められることではありませんが、この時期に1年分の経費をまとめて計算するという人も少なくないでしょう。そのとき、ETCを利用した高速料金は領収書がその場で出ないため苦戦しそうですが、実は「ETC利用照会サービス」を使えば過去の高速料金が一発でわかります。

領収書代わりにETC利用履歴プリンター

高速道路の料金所をノンストップで通過し、後日クレジットカードへ通行料金の請求が届く「ETC」では、当然ながらその場で通行料金の領収書は発行されません。いったん料金所でストップするスマートICも同様で、無人の料金所には領収書を発行する機械も設置されていません。

ETC利用の領収書を手に入れる方法は2種類あり、ひとつはNEXCO3社や首都高速・阪神高速のSA・PAに用意されている「ETC利用履歴プリンター」を使うことです。ETC利用履歴プリンターは、ETCカード内に保存された履歴情報を印刷する端末で、ETCカードを挿入して印刷した利用証明書は、領収書と同等の扱いになります。

しかし、ETC利用履歴プリンターの操作では利用1回分を印刷するたびにボタンを数回押す必要があるうえ、ETCカードには最大100件までしか利用履歴が保存されていません。さらに、SA・PAへ向かう走行については料金が確定していないため領収書が印刷できないという欠点もあるのです。

ETC利用照会サービスで領収書を印刷

そこで、ETCの領収書を印刷するもうひとつの方法である「ETC利用照会サービス」のWebサイトを利用して領収書を発行する方がよりお手軽です。ETC利用照会サービスの利用には登録が必要ですが、登録後は最大14か月までの利用情報をWeb上からチェックできるようになります。

ETC利用照会サービスの登録には、ETCカードとあわせてETC車載器管理番号が必要です。しかし、ETCマイレージがETC車載器を所有していないと登録できないのと異なり、ETC利用照会サービスはレンタカーなどの車載器管理番号を利用して登録することも可能で、その方法もWebサイト上に記載されています。

ETC利用照会サービスには、最大14か月分の履歴表示だけでなく、利用証明書の印刷、利用明細をCSVファイルやPDFファイルとして出力するといった機能も用意されています。とくに、確定申告で利用することを考えた場合は利用証明書の印刷機能は便利で、1回の操作で最大50件分までの利用証明書をまとめて発行可能です。

出張精算に使うETC領収書のため登録

ETC利用照会サービスの利用には、注意したいポイントが2つあります。1つは、ETC利用照会サービスでは前日までの走行履歴が確認可能で、走行当日の情報は表示されないこと。そして、もう1つが、確定した通行料金が表示されるまでに時間がかかることです。

料金の確定に時間がかかるのはETCの料金システムが理由で、ETCでは出入口のICだけでなく通過したルートや時間帯などをすべてチェックしたうえで、最終的な通行料金を確定することになっています。この仕組みのおかげで、複雑な走行ルートが関係するETC割引やETC乗り放題が実現しているのです。

なお、ETC利用照会サービスでチェックできるのは会員登録後の利用履歴で、いまから登録しても2020年分にさかのぼって利用証明書の印刷などは行えません。しかし、来年2～3月に行う確定申告、あるいは今後の出張時の通行料金精算に使うETC領収書のことを考えれば、できるだけ早めに会員登録を済ませた方がよいでしょう。