東芝の短波ラジオ「TY-SHR3」の受信能力を探る
東芝の短波ラジオ「TY-SHR3」は、ラジオNIKKEI用と銘打った製品です(中波とFM波も受信可能)。昭和時代の「NSBクリスター」や「ラジオたんぱ専用ラジオ」を彷彿とさせる機種ですが、ラジオNIKKEI以外に3.8~10MHzの短波放送も受信できるのが特徴。TY-SHR3で、現在の短波放送がどれくらい聞こえるのかを探ってみました。

TY-SHR3の受信感度はあまりよくない
TY-SHR3のボディ正面には「お好み選局」ボタンが4つあり、1~3のボタンには2018年9月以前に使われていたラジオNIKKEIの6つの周波数が登録済みです。
右側面のスイッチで、第1放送と第2放送を切り替えます。ただし、現在使用できるのは放送されている、2ボタン(6055/6115kHz)と1ボタン(第1放送・時間限定3925kHz)の3波のみです。
アンテナは全長580㎜のロッドアンテナだけで、外部接続はできません。受信感度はあまりよくなく、室内の受信場所やアンテナの角度によって、受信状態に大きな差が出ます。
東京都内の木造家屋の2階室内で受信したところ、長柄送信所(千葉県)からの6055/6115kHzは、昼間の直接波をS2~4(Sメーターは未装備なので耳評価)で受信。安定的とはいえないものの実用にはなります。3925kHz(北海道の根室送信所の第1放送、朝と夜)は、夜間だけが何とか聞こえました。
TY-SHR3は本格的なBCLには向かない
TY-SHR3には「もどる」「すすむ」の選局ボタンがあり、5kHzステップで3.8~10MHz間の短波放送を受信できます。また、「お好み選局」の4ボタンに1波のみ登録可能です。
室内で海外日本語放送を受信しました。驚くべきは中国国際放送(CRI)で、朝・夜ともに信号強度・安定度ともにラジオNIKKEIを上回ったのです。台湾国際放送と朝鮮の声も実用になる強さです。
ただし、他の局(BCLラジオでは結構強力に聞こえる局)は、かすかに受信できる程度で、近隣諸国からの強い電波のみ引っかかるという状況。BCLラジオに比べて感度不足が感じられました。
TY-SHR3は本格的なBCLには向きませんが、CRIなど3.8~10MHz帯で実用になる近隣諸国の短波局のみを固定的に聞くのであれば、実勢価格が4,000円を切ることから購入を検討してもいいでしょう。(文/赤林隆仁)

ラジオライフ編集部

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