警察がバラバラ死体で首を捜す理由は「復顔法」
死体発見における初動捜査の最大の関心事は、まず「この被害者はいったい誰なのか?」という一点に注がれます。発見された変死体が生前、顔にどんな肉と皮をつけ、誰であったのかという問題は極めて重大な問題。発見された頭蓋骨から生前の顔貌を蘇らせるエキスパートが科学警察研究所の検死技官です。

バラバラ死体で警察が首を捜す理由
死体がバラバラであった場合、警察がまず首を捜す理由は、頭蓋骨にこそ、もっとも重要な個人識別要素が詰まっているからです。人体の骨は全部で210個。そのうちの33骨でできている頭蓋骨には、個人識別のための情報が非常に多く含まれています。
頭蓋骨から得られる個人情報は性別、年齢、血液型、身長、死後経過時間。他にも目の大きさや鼻の形、顔型、歯形。犯罪捜査というのは、胴体がなくとも首さえあれば何とかなるものなのです。
もともと警察が身元不明者あるいは被害者を特定する方法は、人相書き、顔写真鑑定、モンタージュ、スーパーインポーズ法と、さまざまな方法がありました。これらはすべて、頭部及び頭蓋骨に関する捜査法です。
警察の復顔技術は昭和45年頃から
しかし、これらの方法はある程度「この人ではないか」という該当者が推定できている場合に限られます。まったく突然に下水の中から見つかったような変死体には使えない捜査法でした。こうした理由で迷宮入りになる事件が非常に多かったため、開発された捜査方法が、すなわち「復顔法」です。
本格的に警察の科学捜査で復顔技術が取り入れられはじめたのは昭和45年頃からでした。具体的には顔面上の合計36か所の計測ポイントを決め、骨から表面までの肉厚を測っていきます。これを各年齢ごとにデータを採取していくわけです。
骨と顔の肉の厚さは年齢によって差があり、頭蓋骨が出てきて年齢さえ判別すれば、あとはこのデータの平均値に従って肉付けをしていくだけで、それにふさわしい顔ができるといいます。
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ラジオライフ編集部

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