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公安警察がスパイ獲得で実際にやっている工作とは

泥棒や殺人事件などの捜査を行うのがいわゆる刑事警察なら、公安警察(警察組織における警備・公安部門)が担当するのは、国家の社会秩序を乱す恐れがある組織や団体の監視・調査が主な仕事となります。そんな公安警察のスパイ獲得工作とは、実際にどういったことを行っているのかを見ていきましょう。


公安警察が実際に行っているスパイ獲得工作とは

公安警察はスパイ(協力者)に仕立てて情報

公安警察は世の中の秩序の維持が使命です。事件が発生する前に抑止するのが公安警察の目的なので、事件が発生してから捜査を開始する刑事とは捜査手法が異なります。公安警察の監視・調査の具体的な内容は、機関誌などの熟読、対象組織のメンバーの面識率の向上、幹部の張り込み・尾行、盗聴、スパイの獲得と運営が主なところです。

公安警察のスパイ(協力者)の獲得・運営について、ドラマや小説では公安警察官が自ら対象組織に潜入して、工作活動をしているように描かれています。しかし、実際の公安警察のスパイ獲得工作は少し違うようです。

公安警察官は団体の党員やシンパに近づき、スパイに仕立て上げて対象団体の情報を得ます。公安警察のスパイ工作は、時間と手間がかかったもので、まずはスパイに仕立てる人物(工作対象者)の選定から始まります。

公安警察のスパイ獲得工作の頃合い

公安警察のスパイ獲得は、相手の対象組織での地位、活動状況、性格、出世の可能性を吟味し、自然な接触が可能か、秘密を守りそうか、犯罪傾向はないかなどを含めて工作対象者を選定。そして、公安警察はスパイ工作のためにそこから3~6か月かけて尾行、張り込み、ゴミ漁りなどを行います。

公安警察はスパイ工作のために趣味嗜好、人間関係、生活リズム、性格などを把握し、実際に接触した時の対処方法を検討。そして、公安警察は偶然を装って近づき、仲よくなった頃合いを見計り、自分が公安警察官であることをスパイ工作で告げるのです。

その頃には、公安警察のスパイ候補者は金銭的にも人情的にも、所属組織における立場的にも断れない状況に陥っているという寸法。公安警察官のスパイ工作は事前の調査で行動範囲や趣味嗜好を把握しているだけに、偶然を装った再会や、親近感を抱かせることは造作もないことです。


公安警察のスパイ工作で接触の様子を撮影

公安警察はスパイ工作では、金銭の提供に関しては食事をおごったり、酒代をおごったり、生活に困っているようならまとまったカネを貸したりと、どちらかといえば先輩・後輩関係のような雰囲気の中で渡すことが多いといいます。公安警察のスパイ獲得工作ではお金ではなく、人間関係の構築が重視されているのです。

公安警察のスパイ獲得工作は、これだけでは終わりません。一連の公安警察のスパイ獲得工作をする間に、別の公安警察官がスパイ工作で接触する様子や金銭を受け渡している様子を撮影していることもあるのです。

協力者が公安警察へスパイ工作の協力を拒めば、その写真を組織に送ると脅すというわけ。こうして立体的に断り切れない状況を作り上げていくのが、公安警察のスパイ獲得の手口といえます。ひとたび公安警察にスパイ候補者として狙われれば、選択肢は「進んで協力するか・渋々協力するか・協力せざる得ないか」の3択になるわけです。

公安警察はスパイにどう対峙するのか

全国の公安組織で最大規模を誇る警視庁では唯一、公安部が独立しており、国内を担当する公安1~4課と、テロ組織や国際犯罪組織を対象とする外事1~3課などに分類。また、他の県警では警備部に公安課が設置されています。

テロの脅威と向き合わなければならなくなった昨今、公安警察の中でも外事課の強化が必要です。公安警察はテロや外国人犯罪、スパイにどう対峙しているのか、警視庁の公安部外事2課にも勤務した元捜査官に話を聞きました。

スパイ防止法がないために公安警察はスパイ活動を取り締まれず、さらに出入国の管理が比較的に緩かった日本。1990年頃からロシアや中国からの密入国者やオーバーステイがどんどん増えてきました。

また、日本での留学や研修で来た人の中にもスパイ活動をする人もいると、元公安警察官はいいます。彼らは“スリーパー”と呼ばれ、日常生活に潜んで企業や国家の機密情報を盗んで本国に持ち出すスパイ活動をしているのです。こういったスパイ活動も公安警察の対象です。


公安警察はスパイ活動割り出しに情報協力者

公安警察の目的は、地道な監視や調査で犯罪組織やスパイ活動を割り出して検挙すること。公安警察が外国人犯罪組織やスパイ活動を割り出すには情報協力者“エス”を作るのが重要です。エスとはスパイの頭文字からそう呼ばれます。

公安警察は、エスとは「情で関係を作る」とのこと。例えば飲食店で商売をしている外国人を公安警察がエスに仕立てる場合、店に通って仲よくなったり、時には金を貸したり何かと面倒をみるといいます。そうしているうちに公安警察にスパイとして商売敵の情報をくれるようになるのです。

具体的には「偽造パスポートを作っている」や「偽造の在留資格証を持っている」などの情報をスパイとして公安警察に提供。こうしたエスからのスパイ情報からとりあえず軽犯罪法違反で引っ張って、背後にいる犯罪組織を公安警察が一網打尽に摘発することもあるといいます。

公安警察官がスパイ獲得工作を仕掛けていく

一方、公安警察にとって問題なのはテロ組織の把握です。元公安警察官も「現状は難しいといわざるをえません」と話します。

実際、公安警察がテロリストかどうか、危険思想を持っているかを見極めるのは至難の業。「入国の際に顔認証もできますが、正規に日本に入って来られてテロを起こされたら防ぎようがない」というのが公安警察の現状です。

その意味で、これからの公安警察には「語学ができて、ごく細かい外国人のコミュニティにも潜り込んでいける能力が必要でしょう」と話してくれました。こうして、語学堪能な公安警察官が、新たなスパイ獲得工作を仕掛けていくというわけです。

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ラジオライフ編集部

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