警察のエリート部署「捜査2課」の口が固いのは仕事上
警察の捜査2課とは刑事部の中でも、企業の横領や談合に脱税、贈収賄や選挙違反、詐欺などの知能犯を扱う部署です。大きな経済事件を担当するエリートコース。捜査2課をまとめる2課長は警視総監の登竜門といわれています。口が堅いといわれる彼らの捜査方法を、元警視庁刑事部捜査2課の刑事に聞きました。
捜査2課も3課も手法は変わらない
エリート集団ともいわれる警察の捜査2課は企業事件や詐欺事件、知能犯を専門にしているだけに独特な捜査手法があるのでしょうか。警察の捜査2課は「小さな手がかりを元に証拠を固めていく」という捜査手法にあまり差はないようです。
「デカは盗犯に始まり盗犯に終わるという言葉が刑事の間であります。私は捜査2課の前は窃盗事件を扱う捜査3課にいました。窃盗や空き巣の捜査で質流れ物の出所を探したりと捜査のイロハともいうべき捜査手法を学びました」といいます。
「小さな手がかりを元に証拠を固めていく。捜査2課の場合は、それが例えば企業の粉飾決算を暴くために数字を追いかけるのに変わっただけで、捜査2課も捜査3課も変わりません。ただ、事件の性格上、捜査手法も独特なものはあります」と話します。
「まず捜査2課は捜査中の事件に関する情報は完全に秘密です。扱う事件が例えば贈収賄などの場合、容疑者が当事者間で口裏合わせして証拠を隠滅されてしまうと捜査が難しくなります。捜査2課の場合は捜査しているという情報が漏れてしまわないように内々に捜査を進めていくのです」とのことです。
捜査2課は仕事上よく口が固いといわれる
警察の捜査2課は、企業の事件はどのようにして見つけるのでしょう。「ある信用金庫の着服事件では職員の内部告発、ある企業の談合事件は入札率などの数字を自分で見て矛盾点を見つけました。それからライバル企業に話を聞きに行くなどが基本です」といいます。
「その際、秘密の扱いは慎重にします。新聞記者などに漏れて報道されないようにしなければなりません。よく記者たちに捜査2課は口が固いといわれますが、扱う事件の性格上、そうせざるを得ないんです」と話します。
刑事の間でも秘密を洩らさないようにするのでしょうか。「捜査2課の刑事は資料を読むのが得意だったりサイバー犯罪に強かったりと、それぞれが専門的な分野を持っています。事件ごとに班を組んで得意分野に分かれますが、その班の刑事間では情報共有をしています」とのことです。
捜査2課の仕事は「選挙法違反や企業事件など権力が不正を行っていないかチェックする、いわば監視役でもあると思います。なかなか表に出てこない、気付かれなかったかもしれない事件をあぶり出すことに意義を感じます」と話してくれました。
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ラジオライフ編集部
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