Nヒットが警察の犯人検挙につながった事件
警察庁では自動車盗難や自動車を用いた犯罪に対処するためとして、人員によらず交通検問を実施できる「自動車ナンバー自動読取装置」、いわゆる「Nシステム」を1986年度から整備しています。そして、手配車両とナンバーが合致した場合に発せられるのが「Nヒット」と呼ばれる警報なのです。
Nヒットによる検問で当該車両を停止
Nシステムは、全国各地の公道上に設けた端末(カメラ)で通過車両のナンバーを読み取り、手配車両データベースとリアルタイムで照合。合致した場合、「Nヒット」と呼ばれる警報を発します。
また、1993年からは読み取ったナンバーを日付・時刻・進行方向とヒモ付けして蓄積し、事後的な検索も可能となっています。
Nシステムが犯人検挙につながった最近の事例では、2013年11月に東京都で起きた田園調布女子中学生誘拐事件が挙げられます。女子中学生の母親が誘拐の事実を知り、田園調布署に通報。同じ頃、同年3月に江戸川区内で盗まれたナンバープレートを装着した車がNヒット。府中市方面へ向かっていることが判明したため、府中署員が国道20号線で検問を実施し当該車両を停止させました。
Nシステムの検知でスピード検挙
誘拐犯は犯行に使用したレンタカーに、わざわざ盗難届けが出ているナンバープレートを装着してNシステムに検知されたもので、検問を実施していた警察官は誘拐事件に使用された車両と知っていたわけではありませんでしたが、結果として誘拐発覚後45分でのスピード検挙となったのです。
このように嫌疑のある車両のナンバーが明確に分かっていれば、絶大な威力を発揮するNシステムですが、一方で犯罪に関与していない市民の情報が延々と蓄積され続け、悪用される危険性も指摘されています。
実際に、Nシステムで得たデータが愛媛県警の警部の私有PCからWinnyのファイル交換ネットワーク上に流出したこともあり、決して杞憂ではありません。(文/dumpthecore)
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ラジオライフ編集部
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