クラウンパトカー驚きの「新車値引き」とは

街を走る白黒パトカーのうち、最もポピュラーなものが「無線警ら車」と呼ばれるセダン車です。ドライバーであれば、その大半がクラウンパトカーであることもご存じの方も多いでしょう。クラウンパトカーは特殊装備満載のため、値段は市販車より高いと思いきや、実際購入した金額を見るとその逆。大幅な新車値引きが行われているのです。

クラウンパトカーを警察庁が一括購入

各都道府県警が主力で使う白黒パトカーである無線警ら車は、その大半がクラウンパトカーで占められています。これは、警察庁が一括購入する際、ほぼ毎年のようにクラウンパトカーを選んでいるため。最近10年間のうち、8年間がクラウンパトカーになっています。

無線警ら車のパトカーの仕様はエンジン排気量は2500cc以上など細かく決められていて、そのなかには天井に設置されたブーメラン型の赤色回転灯やそれを取り付ける昇降機、フロントグリルに2灯取り付ける前面警光灯といった特殊な装備も含まれています。

ランプ類以外でも、サイレンや警告アナウンスなどを鳴らすサイレンアンプやスピーカー、警察無線機や警察無線用の「ユーロアンテナ」はパトカーならではの装備。無線警ら車のパトカーの場合、スピード違反の取り締まりは基本行いませんが、ストップメーターも装備しています。

クラウンパトカー値引きは80万円以上

このように特殊装備満載の無線警ら車ですが、警察庁は一体どれぐらいの価格でクラウンパトカーを購入しているのでしょうか？　2018年に購入した210系クラウンパトカーの場合、275台購入し合計の価格は約8億1981万円。1台あたりで計算すると約298万円です。

一方、2018年に市販されていた210系クラウン・ロイヤルの価格は約381万円～となっています。2018年秋に、クラウンは現行の220系へとフルモデルチェンジしているため、モデル末期という事情はあるにせよ、80万円以上という大幅な値引きになっています。

なお、クラウンパトカー1台約298万円の価格は無線関係を除いた特殊装備をすべて含んだもの。クラウンパトカーの警察無線機とユーロアンテナについては、設置に無線関係の資格が必要なため、無線専門の業者から別途購入しています。また、市販車のクラウンは高級モデルでシートも豪華ですが、クラウンパトカーの場合は前部・後部ともにビニール製です。

■「クラウンパトカー」おすすめ記事
クラウンのパトカー「顔つき」で危険度を見抜く
 パトカーの車種が「クラウン」ばかりな理由とは